【節分料理ー2月】~料理レシピ集金沢から~  
(作り方レシピにリンクできます) 
 
節分とはそもそも何なんでしょうか?

その名前の通り「季節を分ける」の意味で、

日本には四季があるので、年に4回あります。

立春(春のはじまりの日)

立夏(夏のはじまりの日)

立秋(秋のはじまりの日)

立冬(冬のはじまりの日)

の前日のことですが

現在では
立春の前日だけが

節分と呼ばれています。


なぜならば、立春は旧暦のお正月なので

立春の前日(今でいう大みそか)は

特に大切な日だったからです。

 


豆どころか、を持って

鬼(家来)を追いかけていますね。

豆にくらべてこわいです。


鬼を追い払う行事は、

「おにやらい」という宮廷の行事が発祥です。

身分の高い貴族が、

鬼に扮した家来を追いかけました。

おにやらいは宮中ではだんだん

廃れて行われなくなりましたが、

各地のお寺や神社が形を変えて

受け継ぎ、庶民にも浸透していきました。

 

地球が太陽の周りを回る公転の周期が

365日きっかりではないことが原因で

2月2日・3日・4日とずれるんだそうです。

ああ、チンプンカンプンです。


節分はいつ?と聞かれたら、

普通は2月3日と答えますよね。

ところが、この日付は固定ではないらしいんです。

2021年は
124年ぶり

2月2日なんですよ!!!

全然気がつきませんでしたが、

実は1984年は2月4日で、

もっと前の1897年(明治時代)は2月2日でした。

ということは今年(2021年)は特別の年です。

と思ったら、今年からしばらくは

4年ごとに2月2日だそうです。

124年ぶりに2月2日になったかと

思ったら今度は4年ごとですか……。

 

   
ところでなぜ豆をまくのでしょうか?

その理由は2つあります。

①豆は「魔(ま)を滅(めっ)する」

つまり鬼を追い払う力があるから

②五穀(米・麦・アワ・キビ・豆)の中で

投げられたら一番痛いから(笑)



 
節分に「鬼は〜外、福は〜内」と言って

豆まきをするのは、

鬼(邪気)を豆(邪気を払う神聖なもの)で

追い払うためです。

 




ねずみ・うし・とら・うさぎ

たつ・へび・うま・ひつじ

さる・とり・いぬ・いのしし

 
節分では、

年男・年女が豆をまく習慣があります。

年男年女とは生まれた年と現在の年が

同じ干支になる人のことです。

例えば今年(2021年)は丑年(うしどし)なので

生まれた年がうし年の人が年男年女になります。

干支は12年で一周するので

満年齢が12の倍数(12・24・36……)

になる年は年男年女になります。

ちなみに生まれた年(0歳)は

年男年女とは呼びません。



 
節分の豆まきで金沢は大豆をまきますが、

ピーナッツ(殻つき落花生)をまく地方が

意外に多いのに驚きました。

北海道・東北・信越・南九州などです。

その理由というのが現実的で合理的で

笑ってしまいます。

落花生は殻に入っているので

大きくて拾いやすく、

拾って食べる時にも衛生的だから。

 

”節分イワシ”

まるで”おまじない”のような

この不思議な手作り節分グッズが好きです。



ヒイラギとイワシの頭を玄関に飾ることは

平安時代からの風習だそうで、

ヒイラギのトゲが鬼の目に刺さって

イワシの頭のくさいにおいが嫌いな鬼が

家の中に入ってきません。

 でも臭いにおいが嫌いなのは

人間も同じではないでしょうか?

 




現在では、節分と言えば

「恵方巻き 恵方巻き」とうるさいんですが、

私は昔ながらの「節分イワシ」が好きですね。

イワシを料理して体の部分は食べて

頭を玄関に飾って鬼が入ってこないようにする

なんていいじゃないですか!

ダブルパンチで鬼をやっつけられます。



 (でも実は楽をしてイワシの缶詰を食べます)

 






鬼が豆とイワシが嫌いなことは知っていましたが

もう1つ嫌いなものがあるそうです。


それは”にわとり”です。

私は鶏の見た目が気持ち悪くて嫌いですが、

鬼の場合は見た目ではなく、その
声が怖いんです。

鬼は夜に現れて悪いことをします。

反対に鶏は夜明けを告げる鶏ですから、

鬼を追い払う力を持っているということです。

ということは……

恵方巻きの中に卵焼きが入っていたら、

鬼がいやがるかもしれません。

卵は未来のニワトリですからね。

 
   
電気がなかった昔は今よりずっと

夜や暗闇が怖かったので、

夜明けを告げてくれる鶏は人々にとって

有難い存在だったのかもしれません。

ニワトリが鬼を追い払う力を持っていたとは……。

興味深いことにヨーロッパでも

ニワトリは闇の悪霊を追い払うと

されているそうです。

人間の考えることはどこも同じです。

 
それでは簡単な節分の準備をして楽しみましょう。

 

左が「怒りんぼう鬼」で右が「意地悪鬼」


まずは”鬼のお面”を作ります。

 絵本やインターネットの画像検索で

探した鬼の絵を見て

紙に絵を描いてはさみで切り抜き、

耳にひっかける輪ゴムをつけたら出来上がり。

この写真では赤や青の紙を使っていますが

白い紙にカラーマジックで描くと

もっとかわいくなると思います。

 
 

左が「泣き虫鬼」で右が「こわがり鬼」 

下がかわい過ぎる「豚ちゃん鬼」


←私は10年以上前に作ったお面を

毎年ずっと使っています。

 
 



旗をつま楊枝にのりでくっつけました。







次に”鬼の旗”と”鬼のランチョンマット”

を作ります。

いろいろな方法があるかと思いますが、

私の場合は、ネットでかわいい鬼を選んで、

ワードに張り付けて大きさを調整して

プリントアウトしました。

 
 
紙垂(シデ)を作って、神主さんが持っている様な

祓串(はらえくし)を作りましょう。

簡単に作れる方法をネットで見つけました。

お菓子なんかを包む半紙で作ります。

紙垂を作ったら家にある棒に

セロテープでくっつけます。



 
 



 


 
次に乾燥大豆を250g(1袋)用意します。

豆は4通りのものに使います。

”福豆ごはん用”と”鬼よけけんちん汁”と

”福茶用”と”豆まき用”です。

全部一度に炒ってから使います。



大豆はさっと洗ってから、

フライパンに入れ(濡れていてもOK)

弱火で15分間炒ります。

この時、放っておいてもいいですが

台所からは離れず、5分おきにフライパンを

ゆすってあげると全体にふっくら炒り上がります。

最後に強火にしてかき混ぜながら

ちょっぴりだけ焦げ目を豆につけます。



さめたら、まず半分弱をごはん用に取り分け

次にけんちん汁用に1人1粒、

そして福茶用に1人3粒分を取り分けます。

あと残りを少しずつラップに包んで

輪ゴムでしばります。

(この炒った大豆は豆まきの後、

無理に食べなくても、冷凍庫に保存しておいて

また豆ごはんにしたらいいでしょう。)

ここまでは前日までに準備しておけます。

 

       節分献立の一例です。


①福豆ごはん

    福豆ごはんのレシピはこちらから




 







 ②いわしの缶詰 

  豆ごはんと鬼よけけんちん汁を作るので

  イワシは手抜きして缶詰を使います。







鰯の頭が欲しければ自分で料理します。

今年は頭が欲しかったので料理しました。

娘が持ってきた圧力鍋で作ったんですが、

缶詰のように骨までやわらかくなりました。

20尾でなんと158円でしたから、

1尾8円! で、できました。

小イワシの生姜煮のレシピはこちらから


  
 


イワシの頭は塩ゆでしてから、

  竹串にさして、大根の切れ端にさして

ヒイラギがないので

  庭に生えていた葉っぱと

生け花のようにしてみました。


手作り節分グッズです。



「イワシの頭は臭いよ〜」

と鬼が泣きます様に。

 

けんちん汁は修行中のお坊さんが

崩れてしまったお豆腐を野菜と

一緒に煮込んで作ったことがはじまりです。

鎌倉の建長寺(けんちょうじ)で

食べられていたので

建長寺汁と呼ばれていて

建長寺汁→建長汁→けんちん汁と

変化しました。


 
③鬼よけけんちん汁

   けんちん汁のレシピはこちらから

   豆を1人1粒ずつ入れます。

   お椀に盛ってから入れます。

    
昔は寒い冬には多くの行事で

温かいけんちん汁が欠かせない行事食でした。

ところが時代と共に冬の行事が衰退していき、

節分だけが残ったのだそうです。

そして現在ではその習慣さえもなくなり、

いつのまにか「恵方巻き」になりました。

恵方巻きを節分に食べるというのは

1989年にセブンイレブンの社員が

「大阪には節分に太巻き寿司を

食べる風習がある」と聞いて

仕掛けたところ、広島から全国へ広がり、

2000年以降急速に広まったそうです。

冷たい恵方巻きよりも温かいけんちん汁の

方が理にかなっています。

 



 
④さつま芋の茶巾絞り(鬼のかわいい旗つき)

   さつま芋の2色茶巾絞りはこちらから

   これに鬼のかわいい旗を刺します。 

鬼も人間も好きなお芋使用
 (嫌いな物ばかりではかわいそうなので)

りんごやみかんなどの果物や
市販のお菓子やデザートに旗をつけても
簡単です。




 

  「豆豆しく」……炒り豆

   「よろこぶ」……塩昆布

   「おめでたい」……赤い梅干

   が揃った縁起物です。

 
⑤福茶

   豆を1人3粒ずつ入れます。

   香ばしく炒った福豆(大豆)と塩昆布

   梅干しなどの具に熱いお湯を注ぎます。

   デザートと一緒に頂きます。


まいた豆の数だけ食べなくても、

福茶がその代わりとなるそうです。

よかった……。




 

2021年2月節分の食卓

福豆ごはん・イワシの生姜煮(トマトとゆでスナップエンドウ添え)・

鬼よけけんちん汁・さつま芋の2色茶巾絞り・福茶

 




お腹の中から参加します。

現在、妊娠8か月なので、

もう耳も聞こえるし、お腹の中で

楽しんでくれるでしょう。


節分の晩ごはんを食べて一服したあとは

お待ちかねの豆まきです。

今年は三女夫婦がいるので4人ですが、

4人とも、うし年ではありませんから、

年男はいないね……残念!と思っていました。


しかしよく考えたら娘のお腹の中の子は

2021年のうし年生まれなんですよ!!!

厳密には0歳の子は年男ではありませんが

そんな細かいことはどうでもいいじゃないですか。

そこで娘がお腹の中の赤ちゃん(年男)の

代わりに年男をつとめることになりました。

1人前にお腹の中から参加します。


義父(夫の父)の昔の羽織袴があるので

娘はそれを着て年男になり、

あとの3人(娘の夫・私の夫・私)が

鬼になります。


12年後に孫を年男にして

豆まきをしたいなあ。


でもその時、私は78歳だから

あの世にいるかもしれないので

やっぱり今年しておかなくては……。

 

 





 
豆まきのやり方


①豆をまく前にお供えしておく

神棚がなければ高い場所に
(うちは神棚がありません)


②お供えしてあった豆や

豆まき行事に参加する人に対して

お祓い(おはらい)をする


③鬼は夜に来るので豆まきは夜に行う

奥の部屋からまいていき玄関へ逃げる

部屋で年男が鬼に向かって「鬼は〜外」とまき、

まいたらすぐにドアを閉めて

鬼が部屋に戻らないようにしてから

室内に向かって「福は〜内」とまく


④年の数だけ豆を食べる

例えば年寄りが(私なら66個)年の数だけ

食べるとおなかをこわすので食べません。

節分の料理の中で食べます。

(豆ごはんとけんちん汁と福茶で)

 
 


YouTubeで神主さんの上手な

お祓いが聞けます。




まず
インチキお祓いをしてみましょう。

ネットでお祓い(はらい)ことばを探して

プリントアウトしました。

これをうちの場合、年男の娘が読み上げます。

読み上げた後、祓串でお祓いします。

お祓いをしてもらう人たちは

まじめにお祓いしてもらいましょう。

毎年、笑いをこらえる人がいます(私)。




【現代語訳】

言葉に出して言うことも

恐れ多いことですが、

イザナギの神さまと

筑紫(つくし)の
日向(ひむか)の橘(たちばな)の

小門(おど)の阿波岐原(あわぎはら)で

禊(みそぎ)をされた時に

お出ましになられた祓戸(はらえど)の神さまたちに

お伝えします。

いろいろな災い(わざわい)や罪、

不浄なものがあるならば

どうか、取り除いてきれいな状態に

していただきますようにお願いします。

 

言葉の意味が全然わからないので、調べてみました。

  禊(みそぎ)

     心や体を清めて、体についた目には見えない、悪いものや罪、穢れを取り除くこと

  祓戸(はらえど)の大神(おおかみ)

     せおりつ姫・はやあきつ姫・いぶきど主・さやさすら姫の四柱の神さまのこと

  祓戸(はらえど)

     お祓いを行う場所のこと

  柱(はしら)

     神さまの数を数える言い方。

     一柱(ひとはしら)・二柱(ふたはしら)……と数える

  禍事
(まがごと)

      災難、悪いこと


  罪・穢れ(けがれ)

     悪い行い、間違った言葉や行動、

     心や体に関わる病気、災害、不浄なもの、


      気持ちが枯れた状態のこと

     
今年(2021年)なら、新型コロナウィルスとかですね。

 
 
 
写真は見事に失敗しました。

動きが速いのでボケボケでした。

  
 
年男が元気よく

「鬼は〜外」「コケコッコー」

と叫んで鬼に豆をまき

鬼が逃げていったら戸を閉めてから

「福は〜内」と叫びながら

部屋の中に豆をまきます。

 


 
豆まきが終わったら、みんなで

福茶とお菓子(果物でも)を頂いて

節分行事はおしまい。



ここまでは2021年2月の節分でした。

 

そして2022年2月の節分は

いつものように豆ごはんでなく、


恵方巻き(太巻きでなく細巻き)とイワシ団子汁にしてみました。

0歳の孫が食べられるようにイワシのお団子と野菜たっぷりの味噌汁にしました。

 
 
 
細巻き寿司のレシピはこちらから

 
 
 
野菜たっぷりイワシ団子汁のレシピは

こちらから


 
 
 
茶巾絞りは2色でなく抹茶だけの1色にして


金箔をふりかけて、

かわいい鬼の旗を立てました。


 
 
 
福茶は最後に茶巾絞りと一緒に

頂きました。

 
 
 

細巻きは1人7本(半分に切ったものです)

イワシの団子汁、茶巾絞りを食べました。


 
 

去年の節分にはお腹の中から参加した孫ですが

今年は元気に豆まきに参加できました。

 


まだお寿司を食べられないので

イワシのお団子汁とシャケおかゆ、

みかん、福茶で。

 

2024年の節分は普通に2月3日です。

今年はどうしようかな……。

去年2023年は金沢に来なかったので、節分行事は行いませんでしたが

今年2024年は能登の家が地震で被災して、

金沢に疎開してきているので節分行事をやろうと思います。

孫も成長して2歳になったし、何でも食べられるようになったし……





 
 
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