【お月見料理ー9~10月】~料理レシピ集金沢から~ | |
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古来から月を愛でる風習は日本に ありましたが、平安時代に 十五夜のお月見が広まりました。 当時の貴族たちは月を眺めながら お酒を飲んだり和歌を作ったりしました。 江戸時代になってからは 庶民の間にまで月見の風習が広まりました。 しかし、平安時代の貴族とは違い、 秋の収穫祭の意味合いが強く、 無事に米や作物を収穫できた喜びを 感謝する日だったそうです。 |
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百人一首でお馴染みの 阿倍仲麻呂(701~770)の和歌です。 16歳の時に留学生として行った唐(中国)に 何十年も滞在し、51歳の時に 帰国しようとしましたが、 途中嵐にあい、中国に戻りました。 その帰国を祝って、宴会が開かれた時に よまれた歌だそうです。 つまり、お祝いということは…… 仲麻呂は日本に帰りたかったけど、 中国の人たちは帰ってほしくなかった ということになりますね。 広い夜空に浮かんだ月を通して 故郷日本への思いが表現されています。 月は世界中どこにいても見えますから。 小林一茶の俳句も好きです。 「名月を取ってくれろと泣く子かな」 英語で「無理難題を言う、 ない物ねだりをする」は英語で "ask for the moon" というらしいんですが、 英語と同じ言い回しなのが面白いです。 |
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今年(2024年)の場合は、 10月15日(火)です。 十五夜が天気が悪ければ 十三夜でもいいんじゃないでしょうか。 |
「3月見」って知っていますか? 私は十五夜お月さんしか知りませんでした。 十五夜・十三夜・十日夜のことです。 十三夜の月は、満月が少し欠けた形を していますが、十五夜の次に 美しい月と言われています。 完全でないものに美意識を感じる 日本ならではの文化だと思います。 毎年十五夜の約1か月後に 十三夜が来ます。 |
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「うさぎ」の歌は昔から歌われている 有名な歌ですが、実は作詞・作曲した人は わかっていません。 |
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「ムーンライトセレナーデ」は 1939年にトロンボーン奏者の グレンミラーが作曲した曲です。 いい曲なので いろいろなバンドがカバーしていますが、 その中でもシカゴのカバーが好きです。 https://www.youtube.com/watch?v=d4ORE0rWcqI |
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菅原つづ子さんが1955年に大ヒットさせた 「月がとっても青いから」という歌が大好きです。 https://www.youtube.com/watch?v=XO7JmRYirX8 月がとっても青いから 遠まわりして帰ろう あのすずかけの並木路は 想い出の小路よ 腕をやさしく組み合って 二人っきりで さあ 帰ろう |
お月見のお供え物といえば ススキ、月見団子、農作物ですね。 それぞれどんな意味があるのでしょうか。 |
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秋の七草のひとつのススキには 悪霊や災いから収穫物を守り、 翌年の豊作を願う意味が込められています。 ススキの鋭い切り口が魔除けになると 言われています。 本来は実りを象徴する稲穂を お供えしたいのですが、 稲刈り前なので稲に似たススキを 使うようになったらしいです。 ススキだけでもいいのですが、 秋の草花と一緒にお供えすると なおいいかもしれません。 |
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今年(2024年)の十三夜は 10月15日(火)です。 花屋で買ってくるのは 季節感がないので、川のそばの土手で 若いすすきとねこじゃらしと彼岸花を はさみで切ってきました。 これまでは9月のお彼岸の頃に 咲くので彼岸花と呼ばれているんですが、 最近は温暖化で10月になってから咲くようです。 |
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そしてこちらは毎年この時期になると 額に入れて飾る月見の手ぬぐいです。 うさぎさんがすすきの野原で月見をしています。 |
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お月見は豊作を祝う行事でもあります。 さつま芋、里芋、栗などをお供えして 収穫に感謝します。 十五夜(中秋の名月)は 別名 「芋名月」と呼ばれます。 東アジアには旧暦の8月15日に お芋の収穫祭がある地域が多いそうです。 日本と共通であることが面白いです。 |
穴が3方向に開いているので 三方と言います。 三方は三宝と発音が同じで 縁起がいいとされてします。 でも武士が切腹する時に刀をのせるのは 三方ではなくあえて四方で、死方となり 縁起が悪いのだそうです。 穴のない方向を神様に、 そしてお月見の時はお月さまに向くようにします。 我が家は風流な縁側がないので、 物干し場にお供えして お月見をします。 ”物干し場の月見の宴”です。 ちょっと風流さには欠けますが、 まあ、いいでしょう。気持ちだけでも。 |
月見団子は 月に見立てたお団子をお供えすることで 月に収穫の感謝を表しています。 十五夜では15個、十三夜では13個を ピラミッドのようにお供えします。 左の写真でお団子をのせてある台は 三方(さんぽう)です。 三宝に月見団子をお供えすると ぐっとテンションが上がります。 私の家には昔からの三方があるのですが なければ普通にお皿に載せればいいです。 三方やお皿に半紙(白い紙)を敷き、 月見団子を盛りつけます。 草むらからは虫の声、夜空には名月…… 夜中に目が覚めたら、いつも 物干し場の欄干の月影がくっきり見えます。 太陽じゃなくて月の明かりで 陰ができるなんてとても素敵です。 |
月見団子の作り方はこちらから 月見団子そのものには味がないので 缶詰のあずきをのせるとあんこ団子になります。 |
それでは月見団子を作ってみましょう。 団子の粉には3種類あって よく違いがわからないので 調べてみました。 白玉粉はもち米100%の粉です。 白玉粉で作るとどうなるのでしょうか? 仕上がりがやわらかくべちゃっとなって 月見団子としてピラミッド状に 積み上げることができません。 上新粉という粉もあります。 こちらはうるち米(普通の米)100%です。 蒸したりこねたりする必要があって めんどくさいです。 かしわ餅なんかを作る時はこれです。 そして一番下の粉がその名も 「だんご粉」です。 うるち米ともち米の両方から作ります。 いいとこ取りです。 白玉粉ほどやわらか過ぎず、 ねめらかで適度なコシがあり 冷めても硬くなりにくいです。 また上新粉のように蒸したりする必要が なく、水を加えて混ぜて、丸めて ゆでるだけで簡単です。 |
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お団子じゃなくて、さつま芋炊き込みご飯や 栗おこわ、きのこ炊き込みご飯なんかも 秋らしくていいですね。 左の写真では普通のお茶碗に 盛りつけていますが、輪島塗のお椀が あったらそれらしくなります。 |
ところで「お月見泥棒」という風習を 知っていますか? 私の地方にはない風習なので 知りませんでしたが、なかなか面白いんです。 お月見泥棒とは近所の子どもたちが お月見のお供え物を盗む風習です。 昔、子どもは月からの使者と 考えられており、この日に限って 泥棒することが許されていました。 子どもたちに盗まれると、 縁起がよく、農作物が豊作になると 言われてきたのです。 子どもたちが 「お月見泥棒で~す。」と 各家に声をかけてまわり、 お団子やお菓子をもらいますが、 これってハロウィンそっくりじゃないですか? ハロウィンも元々は収穫への感謝です。 まさに日本版ハロウィンですよ! |
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昔、中秋の名月には月あかりが 子どもたちの歩く道を明るく照らしてくれました。 今は街灯がありますが昔はロマンチックです。 この風習は昔は日本各地で行われて いましたが、だんだんなくなってきています。 でも現在でも行われている所もあり、 三重県の四日市が有名だそうです。 ハロウィンより月見泥棒! かぼちゃより団子! |
今はお団子やお菓子になりましたが、 元々は畑のお芋でした。 中秋の名月にだけは他人の畑のお芋を 盗んでもいいという風習がありました。 全部盗んでいいのではなく、 道から片足を踏み込んだ範囲だけという 暗黙の約束があったのです。 お芋が盗まれても、 「お月さまが持って行って下さった」と いうことで縁起が良く、 盗まれた畑は豊作になると言われました。 |
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