【お月見料理ー9~10月】~料理レシピ集金沢から~  
(作り方レシピにリンクできます) 




十五夜は、1年の中で最も空が澄みわたると言われています。

暑い夏が過ぎ、涼しくなり始めた頃に、満月を見て楽しむのは日本の秋の風物詩で大好きです。

十五夜は旧暦の8月15日です。

月の満ち欠けを基準にしている旧暦と、太陽の動きを基準にしている新暦では

1年の始まる日も1年の長さも異なります。

つまり、その年によって十五夜の日は変わってくるということです。

新暦でいうと、毎年9月中旬~10月上旬の間に十五夜がきます。

今年(2024年)の十五夜は、9月17日(火曜日)です。

そして十三夜は、10月15日(火曜日)です。










古来から月を愛でる風習は日本に

ありましたが、平安時代に

十五夜のお月見が広まりました。

当時の貴族たちは月を眺めながら

お酒を飲んだり和歌を作ったりしました。







江戸時代になってからは

庶民の間にまで月見の風習が広まりました。

しかし、平安時代の貴族とは違い、

秋の収穫祭の意味合いが強く、

無事に米や作物を収穫できた喜びを

感謝する日だったそうです。





 
百人一首でお馴染みの

阿倍仲麻呂(701~770)の和歌です。

16歳の時に留学生として行った唐(中国)に

何十年も滞在し、51歳の時に

帰国しようとしましたが、

途中嵐にあい、中国に戻りました。

その帰国を祝って、宴会が開かれた時に

よまれた歌だそうです。

つまり、お祝いということは……

仲麻呂は日本に帰りたかったけど、

中国の人たちは帰ってほしくなかった

ということになりますね。



広い夜空に浮かんだ月を通して

故郷日本への思いが表現されています。

月は世界中どこにいても見えますから。



小林一茶の俳句も好きです。

「名月を取ってくれろと泣く子かな」

英語で「無理難題を言う、

ない物ねだりをする」は英語で


"
ask for the moon" 

というらしいんですが、

英語と同じ言い回しなのが面白いです。



 

今年(2024年)の場合は、

10月15日(火)です。

十五夜が天気が悪ければ

十三夜でもいいんじゃないでしょうか。


「3月見」って知っていますか?

私は十五夜お月さんしか知りませんでした。

十五夜・十三夜・十日夜のことです。

十三夜の月は、満月が少し欠けた形を

していますが、十五夜の次に

美しい月
と言われています。

完全でないものに美意識を感じる

日本ならではの文化だと思います。

毎年十五夜の約1か月後に

十三夜が来ます。

 


「うさぎ」の歌は昔から歌われている

有名な歌ですが、実は作詞・作曲した人は

わかっていません。

 


「ムーンライトセレナーデ」は

1939年にトロンボーン奏者の

グレンミラーが作曲した曲です。



いい曲なので

いろいろなバンドがカバーしていますが、

その中でもシカゴのカバーが好きです。

https://www.youtube.com/watch?v=d4ORE0rWcqI

 
 


菅原つづ子さんが1955年に大ヒットさせた

「月がとっても青いから」という歌が大好きです。



https://www.youtube.com/watch?v=XO7JmRYirX8


月がとっても青いから

遠まわりして帰ろう

あのすずかけの並木路は

想い出の小路よ

腕をやさしく組み合って

二人っきりで さあ 帰ろう



お月見のお供え物といえば

ススキ、月見団子、農作物ですね。

それぞれどんな意味があるのでしょうか。








秋の七草のひとつのススキには

悪霊や災いから収穫物を守り、

翌年の豊作を願う意味が込められています。

ススキの鋭い切り口が魔除けになると

言われています。

本来は実りを象徴する稲穂を

お供えしたいのですが、

稲刈り前なので稲に似たススキを

使うようになったらしいです。

ススキだけでもいいのですが、

秋の草花と一緒にお供えすると

なおいいかもしれません。

 
   
今年(2024年)の十三夜は

10月15日(火)です。



花屋で買ってくるのは

季節感がないので、川のそばの土手で

若いすすきとねこじゃらしと彼岸花を

はさみで切ってきました。

これまでは9月のお彼岸の頃に

咲くので彼岸花と呼ばれているんですが、

最近は温暖化で10月になってから咲くようです。

 
 


そしてこちらは毎年この時期になると

額に入れて飾る月見の手ぬぐいです。

うさぎさんがすすきの野原で月見をしています。

 

 




お月見は豊作を祝う行事でもあります。

さつま芋、里芋、栗などをお供えして

収穫に感謝します。

十五夜(中秋の名月)は

別名 「芋名月」と呼ばれます。

東アジアには旧暦の8月15日に

お芋の収穫祭がある地域が多いそうです。

日本と共通であることが面白いです。




穴が3方向に開いているので

三方と言います。

三方は三宝と発音が同じで

縁起がいいとされてします。

でも武士が切腹する時に刀をのせるのは

三方ではなくあえて四方で、死方となり

縁起が悪いのだそうです。


穴のない方向を神様に、

そしてお月見の時はお月さまに向くようにします。




我が家は風流な縁側がないので、

物干し場にお供えして

お月見をします。

”物干し場の月見の宴”です。

ちょっと風流さには欠けますが、

まあ、いいでしょう。気持ちだけでも。



 
月見団子は

月に見立てたお団子をお供えすることで

月に収穫の感謝を表しています。

十五夜では15個、十三夜では13個を

ピラミッドのようにお供えします。



左の写真でお団子をのせてある台は

三方(さんぽう)です。

三宝に月見団子をお供えすると

ぐっとテンションが上がります。

私の家には昔からの三方があるのですが

なければ普通にお皿に載せればいいです。

三方やお皿に半紙(白い紙)を敷き、

月見団子を盛りつけます。

草むらからは虫の声、夜空には名月……



夜中に目が覚めたら、いつも

物干し場の欄干の月影がくっきり見えます。

太陽じゃなくて月の明かりで

陰ができるなんてとても素敵です。










月見団子の作り方はこちらから



月見団子そのものには味がないので

缶詰のあずきをのせるとあんこ団子になります。


それでは月見団子を作ってみましょう。

団子の粉には3種類あって

よく違いがわからないので

調べてみました。


白玉粉はもち米100%の粉です。

白玉粉で作るとどうなるのでしょうか?

仕上がりがやわらかくべちゃっとなって

月見団子としてピラミッド状に

積み上げることができません。



上新粉という粉もあります。

こちらはうるち米(普通の米)100%です。

蒸したりこねたりする必要があって

めんどくさいです。

かしわ餅なんかを作る時はこれです。



そして一番下の粉がその名も

「だんご粉」です。

うるち米ともち米の両方から作ります。

いいとこ取りです。

白玉粉ほどやわらか過ぎず、

ねめらかで適度なコシがあり

冷めても硬くなりにくいです。

また上新粉のように蒸したりする必要が

なく、水を加えて混ぜて、丸めて

ゆでるだけで簡単です。

 
 



 お団子じゃなくて、さつま芋炊き込みご飯

栗おこわきのこ炊き込みご飯なんかも

秋らしくていいですね。



左の写真では普通のお茶碗に

盛りつけていますが、輪島塗のお椀が

あったらそれらしくなります。

 






 
 
ところで「お月見泥棒」という風習を

知っていますか?

私の地方にはない風習なので

知りませんでしたが、なかなか面白いんです。


お月見泥棒とは近所の子どもたちが

お月見のお供え物を盗む風習です。

昔、
子どもは月からの使者

考えられており、この日に限って

泥棒することが許されていました。

子どもたちに盗まれると、

縁起がよく、農作物が豊作になると

言われてきたのです。


子どもたちが

「お月見泥棒で~す。」と

各家に声をかけてまわり、

お団子やお菓子をもらいますが、

これってハロウィンそっくりじゃないですか?

ハロウィンも元々は収穫への感謝です。

まさに
日本版ハロウィンですよ!

 
 

昔、中秋の名月には月あかりが

子どもたちの歩く道を明るく照らしてくれました。

今は街灯がありますが昔はロマンチックです。


この風習は昔は日本各地で行われて

いましたが、だんだんなくなってきています。

でも現在でも行われている所もあり、

三重県の四日市が有名だそうです。


ハロウィンより月見泥棒!

かぼちゃより団子!

 
今はお団子やお菓子になりましたが、

元々は畑のお芋でした。



中秋の名月にだけは他人の畑のお芋を

盗んでもいいという風習がありました。

全部盗んでいいのではなく、

道から片足を踏み込んだ範囲だけという

暗黙の約束があったのです。

お芋が盗まれても、

「お月さまが持って行って下さった」と

いうことで縁起が良く、


盗まれた畑は豊作になると言われました。

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