【春と秋のお彼岸】~料理レシピ集金沢から~  
(作り方レシピにリンクできます) 
 

「暑さ寒さも彼岸まで」という有名なことばがあります。

お彼岸は春のお彼岸(春分の日)と秋のお彼岸(秋分の日)の2回あります。



お彼岸という言葉は、もともとサンスクリット語の「パーラミター」が語源です。

「パーラ」は彼岸に、「ミータ」は到ったで 「彼岸に到ること」を意味します。

悟りに至るために越えるべき欲や迷いや煩悩、苦しみを川(三途の川とは無関係)に例えて、

その向こう岸に迷いのない悟りの境地の涅槃があるとされています。

亡くなった家族やご先祖さまは、迷いのない「彼岸」へと渡り、

時々私たちの生きている「此岸」に帰ってくると考えられるようになりました。



それではなぜその時期なのでしょうか?

春分の日と秋分の日には、太陽が真東から真西へ沈みます。

仏教の教えでは、西にあの世が存在する場所があるとされるので、

春分の日と秋分の日は、あの世と最も距離が近くなる日と考えられてきたからなのです。


 
今年(2024年)の春のお彼岸は

3月17日(日)~23日(土)までの7日間です。



17日 彼岸入り

20日(祝日) 彼岸の中日(春分の日)

23日 彼岸明け




 お彼岸のお墓参りは世界でも日本だけの風習です。

インドや中国などの他の国にはお彼岸という行事はありません。


仏教を開いたお釈迦様は、霊魂の存在を否定していましたから

ご先祖様があの世にいて、お盆やお彼岸の時になるとこの世にやってくるというのは

仏教本来の教えではなく、仏教が6世紀に伝わるよりも前から

お彼岸の時期に祖先や自然に感謝する習慣があった日本特有の行事です。


     お墓参りの手順

①お墓のまわりの雑草や枯れ葉などを取り除く

②手桶に水をくんできて、墓石にやさしく水をかけて、スポンジなどで汚れを落とす

③もう1度、水をくんできて、きれいな水を墓石にかける(花立てにも水を入れる)

④花立てに持ってきたお花を入れ、お供え物を白い半紙にのせて、お供えする

⑤線香を立てて、マッチかチャッカマンで火をつける

⑥順番にお参りする

    手に数珠をかけて、目をつぶって10秒くらい黙とうする

⑦全員のお参りが住んだら、お供え物は家に持って帰り(カラスの被害を避けるため)


     家でみんなで頂く。



沖縄のお彼岸行事は独特で、お墓参りはせずに仏壇にお参りするそうです。

    それはお墓と仏壇はつながっているという考えからだそうです。


※夕方、暗くなると霊が集まりやすいと言われます。

    昔、私の夫の母は暗くなってからお墓に行くなと口をすっぱくして言っていました。

    これも、幽霊は出ませんが、暗くなると道中危ないので、戒めなんでしょうね。



おはぎの作り方はこちらから



お餅と違って、おはぎは

炊き立てのもち米を

完全にはつぶしません。

すりこ木などで「半殺し」(あらくつぶすこと)

にしてモチモチ感を楽しみます。

小豆には魔除けの効果があると

信じられているので、昔からご先祖様への

お供え物に使われてきました。


 
春のぼたもちは

こしあんで作られることが多いですが、

個人的には粒あんが好きです。

私の亡くなった母は

田舎からもらった

”やぐさくらしい”(金沢弁で大きいの意味)

おはぎを「ぼたもち」と呼んでいました。


 

ぼたもちは、春に咲く牡丹(ぼたん)の

花にちなんで ”ぼたもち” と呼ばれます。

季節によって呼び名が変わる

なんて素敵ですね。

四季のある日本です。

 
 
秋の ”おはぎ” は

粒あんで作られます。

 
おはぎは、秋に咲く萩(はぎ)の

花にちなんで ”おはぎ” と呼ばれます。

 


秋のお彼岸の頃に、

鮮やかな真っ赤な花を咲かせる彼岸花。

その地下茎には強い毒があります。



田んぼのあぜに植えられるのは

田んぼに穴を作って水漏れを起こす

ネズミやモグラがその毒を嫌って

近寄らないようにするためです。



またお墓に植えられるのは、昔

土葬後、死体が動物に荒らされるのを防ぐ

ためだったそうです。

 
彼岸花(ひがんばな)にはたくさんの別名があるのを知りませんでした。

しかも、ほとんどが不吉な別名……。

彼岸花……根っこを食べると、後は彼岸(あの世)に行くしかないので。

葬式花……     〃

墓花……      〃

死人花……    〃

地獄花……    〃

幽霊花……    〃

火事花…… 真っ赤な花が火事を連想させるので

「家に持って帰ると家が火事になる」という迷信もありますが、

子どもが毒のある彼岸花に近づかないようにするための迷信だそうです。


灯篭花……真っ赤な花が明かりを連想させるので。

曼殊沙華(まんじゅしゃげ)……サンスクリット語で赤い花という意味。

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