【Cインド人の家に招待された】

〜70歳からのインド旅 死ぬまでにインド!〜
 





2024年2月25日(日)
娘の家の窓ぎわで朝の歯磨き。
 
 
今日は娘夫婦の知り合いのインド人のZさんの

  ガル(ヒンディー語で家の意味)に招待されています。

とても楽しみにしていました。
             
10時40分に出発して12時にZさんの家がある町に着きました。
 
 
       
Zさんの家を訪問する前に、彼が友達のガル(家)に連れていってくれました。

昔、ずる賢いイギリスは独立運動が盛り上がると、

  ヒンズー教徒とイスラム教徒の対立を煽って運動の切り崩しを図りました。

現代でも宗教対立はあり、2008年に起きたムンバイ同時多発テロは

  ヒンズー教徒とイスラム教徒過激派の対立でした。

Zさんはイスラム教徒で、その友達はヒンズー教徒だと思います。

宗教が違っても、仲良しです。
   
突然行ったのに、いやな顔ひとつされず、大歓迎して頂きました。

ダンニャワード(ありがとうございます)。
        
 
インド人、特に若い男性はポリウッドスターのような6つに割れたお腹に

  憧れますが、現実にはほとんどのインド人はお腹がぽっこり出ています。

その理由は

  @インド料理はたくさんの油を使うから

      2014年に行ったスリランカは油をトラトラ(少し)しか使いません。

  Aインド人は甘いもの(お菓子・甘いチャイ)も大好きだから

      甘いというよりは甘ったるいお菓子ですね。

      お砂糖はトラトラ(少し)がいいですよね。

  Bインドの平均的な家庭では夕食を夜の9時から10時に取るから

      食べてすぐに寝るから太るし、糖尿病の原因にもなります。

  C食べる量がとにかく多いから
     

      
子どもたちやお母さんもニコニコ。

洗濯物が干してあっても、見栄も張らずありのまま。
  
次に、また別のお友達のガル(家)に行くことになりました。

お店をしている人で、シャッターをわざわざ開けてくれました。
 
   
お店の中を見せてもらってから、お宅にもおじゃまさせて頂きました。
       
すると部屋の壁に、あの有名な”ベイビークリシュナバター”の

  絵があったんですよ〜!!!

クリシュナはヒンドゥー教の神ですが、最も人気があります。

悪魔を倒したり、村を救ったりした物語があるスーパーヒーローです。

その中でも、クリシュナがギ―(バターみたいなもの)を

  なめている姿は、とても人気があるそうです。

クリシュナが小さい頃、バターの入った壺が高い所につるしてありましたが、

  届きませんでした。

そこで壺に石をぶつけて割り、垂れてきたバターを食べたやんちゃな神様です。

かわいいバター泥棒と言われています。

インドで最も鮮やかなお祭りのホーリー。

  この日はカラフルな色の粉を知っている人にも知らない人にも

  「ハッピーホーリー」と言いながら、顔に塗り合います。

  このホーリーの起源はクリシュナのいたずらだと言われています。

私はこのクリシュナの絵が気に入って、

  自分へのお土産に買って帰ろうと決めました。

 

ギーは牛乳を温めてから冷やし、クリームを分離して

バターを数日間発酵させて作ります。

     
これがお土産に買ってきた”クリシュナバター”のポストカードです。

階段の壁に貼ってあります。
 
 

金キラキ〜ンのポストカード

 
南インドにある”クリシュナのバターボール”(巨大な岩球)が見たいです。

なぜそこにあるのか誰も知らないし、押しても引いてもびくともせず、

  坂の途中で止まっています。
 
         




クリシュナは肌が青黒く、横笛を持っています。

 
インドの街中を歩いていて感じたのは、日本と違い美容室がほとんどなく、

  男性用の床屋さんがあちこちにあることでした。

女性はほとんど髪を切りませんが、男性はひんぱんに床屋に行くようです。

   
鶏がいましたが、庭とりじゃなく、道端を自由に歩いているんです。

首にひもをつけているわけじゃないので、

  どこか遠くに行ってしまわないんでしょうか。
    
 
    
 
 
 
  
さあ、今度はいよいよZさんのガル(家)に行きます。

私たち3人はランチに招待されています。

階段を上った2階のお宅です。

Zさんがふざけてベッドに寝てくれましたが、

  その寝姿がインドっぽくてなかなかアチャー(いい)な感じです。
 
      
ランチは奥さんがビリヤニを作ってくれました。

ビリヤニとはインドやその周辺国で食べられているスパイスとお肉の

  炊き込みご飯です。

スペインのパエリア、日本の松茸ご飯と並び、世界三大炊き込みご飯です。

ビリヤニって、実はとても手の込んだお料理で、手軽にさっと作れるものでは

  ありません。

それに比べたら、松茸ご飯なんて簡単過ぎるくらいですよ。

もともとは、ムガル帝国時代に発達した宮廷料理で、複雑な手順で作られ、

  結婚式や誕生日などのおめでたい日に振舞われるものです。

ペルシャのピラフとインドのスパイスが融合した料理です。

わざわざ私たちのためにそんな手の込んだ料理を作ってくれました。

ダンニャワード(ありがとうございました)。
     

アチャー(美しい) !


     ちりれんげが出されていましたが、うまく食べられないので

「チャマッチ ディージェ(スプーンを下さい」とヒンディー語で言ってみたら通じました!

こんなヒンディー語、本当に使うことなんてあるのかな〜と

思っていましたが、意外な所で使えました。

     
  
「インドの食は家にあり」という言葉があるそうです。

インド料理の本質はレストランではなく、家庭にあるということです。

本当のことをいうと、日本でもそうあるべきだと思います。

貧富の差を超えて、インド家庭料理のクォリティーは高いといえます。

ごはんは基本的に自分の家で食べるもので、外食の習慣がなく、

  昼食は家からお弁当を持参します。

インドでは知らない人が来る食堂ほど、クオリティーが落ちていくとのことです。

お腹をこわしても知らない人なら「知〜らない」ということですかね。

つまり観光客はお店の人にとっては知らない人です。

インドで食中毒を起こしたというのはそんな理由なんでしょうか。

中流以上のインド人はお腹をこわすので、そういう食堂では食べません。

料理は家庭内で女性を強くする武器と言われていて、ババ(お父さん)は

  マーン(お母さん)にはその点で頭があがりません。

お金で買えない家庭料理こそ、インド料理の最高峰です。

食という大切なことを市場にゆだねないのはインドの豊かさなんでしょうね。

それに対して、日本はゆだねるようになりました。

今回、非常にラッキーなことに、インド人のお宅で家庭料理を

  食べることができて、ほんとにうれしい。  
ビリヤニの作り方を調べてみました。

@2時間ほど水に漬けた香り米バスマティライスを、沸騰したお湯で

   ローリエと一緒にパスタのように茹でる

A茹でたら、湯切りして水気を飛ばす(パラパラ食感になる)

Bマサラ(チキンや野菜の具材とスパイスを混ぜ合わせたもの)と

   湯切りした米を交互に重ねていき、

   何層にもなるようにしてぴったりとふたをして蒸す

   これはインドで「ダム」と呼ばれる伝統的な蒸し料理のスタイルで、

   これによりふっくらとした仕上がりになる


ビリヤニのおかわりをすすめられましたが、以前スパイスの効いた

  カレーをパキスタンで食べてお腹が痛くなったので、今回は

  ほどほどにして残りはお土産にしてもらうことにしました。

デザートはちょうどいい甘さの手作りスイーツでした。

スワーディシュトゥ(おいしい)!
 
 
 
Zさんのご家族と一緒に屋上に上がったら、スカ―っとして気持ちよかった〜。
 
             
 
   

                    

                        Zさん家族と記念撮影 

            向かって右から私の娘・Zさんの奥様・息子さん・Zさん・娘さん・私です。

                   エク ドゥイ ティーン(1 2 3)パチッ!


 
Zさんが近くのマーブビーチに連れていってくれました。

生まれて初めて見るアラビア海です!

「アチャー(美しい)!」
 
 
 
       
 
ムンバイはアラビア海に面しているので、魚介類がよくとれます。

普通に考えたら、生で食べられるくらい新鮮なんですが、

  食べられないのはやはり流通の問題なんでしょうね。

でも船からあげられたばかりの魚を個人向けの街中の市場ではなく、

  港のすぐそばの市場に直接買いに行けば

  理屈から言えば、お刺身を食べられることになると思います。

私が子どもの頃、金沢でも昔から甘海老はありましたが、

  流通の発達した現在のようにお刺身で食べることはできず、

  お醤油で煮て食べるしかありませんでした。
 
   

                  海岸でも、わんこ達がデレーっとお昼寝していました。

                    わんこ達、タクギャー ヘ?(疲れた?)

 
 ;
 
   
 
 
 
帰り道、バイクに4人乗りしている家族を見ました。

ちょっとわかりにくいんですが、足を数えると、

  子どもがもう1人いることがわかります。

実は私も63年前にスクーターの4人乗りをしていました。

父が運転して、私が父の前に立って、赤ん坊だった弟をおんぶした

  母が後ろに乗っていました。

今なら、違反でナヒーン(だめだめ)ですが、

  日本も昔は今の日本のように管理されていませんでしたから

  ティーケティーケ(大丈夫)でした。
 
   
 
途中、インド映画をローカルな映画館で見ました。

インド映画は日本でもレンタルビデオやアマゾンプライムで見ることは

  できますが、せっかくインドに来たんだから、ワイワイ盛り上がるらしい

  インドの人々に囲まれてインド映画を楽しみたい。
   

              チケットはもちろんオンラインでも買えるんですが、

             やっぱり昔ながらの”映画館っていう感じ”の窓口で買いました。

              もぎり(チケットの半券をもぎとる人)の

               ババ(お父さん)もアチャーな(いい)感じです。

             昭和の映画館を知っている年寄りからすると、

           こういう雰囲気も映画の魅力のひとつなんです。

映画大国世界一の国ーインドでは、年間ハザール(1000)本の映画が製作され、

  映画館の数も多く、その中でもムンバイは中心地で、ポリウッド映画と

  呼ばれる情熱的なダンスが最大の特徴で、話の途中で突然、

  場面がガラっと変わって踊り始めます。

その突然ってところが魅力なんでしょうね。

でも最近はハリウッドの影響を受けて、歌と踊りが全く入っていない映画も

  あるそうです。

娯楽映画は軽薄で、ただ面白いだけと思う人もやっぱりいるんでしょう。

年寄りの私にとって、年とっても見たい映画は

  いわゆる娯楽映画ではありませんが。
 
 
値段の高い2階席は落ち着いていると聞いたので面白くないし、

  インド人に囲まれて盛り上がれる1階席にしました。

席の値段は、安い方から1階前方、1回後方、2階前方、2階後方の順番です。

映画が始まる前はスクリーンに国旗が映し出されて、

  インド国家が流れて全員起立すると聞いていたので、

  見たかったんですが、残念ながら途中から入ったので見られず……。
 
 

この写真に写っている1階の12番のシートは真っ暗で本当は全く見えません。

スマホで撮ったので、自動明るさ調整で明るく撮られているだけです。

シートの破け具合とか、味がありますね〜。

昔、映画館に行ったら、こんな感じのシートでした。

食べたお菓子の袋やジュースのビンがそこらじゅうに捨てられていました。

今、そんなことをする日本人はほとんどいません。


 
映画を観ている最中や休憩の時に食べたり飲んだりする売店が

  宇宙っぽくて素敵でした。
 
 
 
 
オールドスクールな雰囲気のトイレも入ってみました。 
 
       
 
娘の家に帰って、夕食はわかめざるそば、卵焼き、マッシュルーム炒めでした。

これはこれでやっぱりアチャー(おいしい)。
   
 
 
 
朝と同じ窓際でムンバイの夜景を見ながら歯磨き。

楽しい一日が終わりました。

Zさんのガル(家)に招待されたのがほんとにうれしかったです。

インド最高の思い出……。
 
 
 
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