【かしわもちーNo.31】~60歳からの市販のお菓子日記~


 場所・電話番号 インターネット情報その他  料金(税別) 

柴舟小出(しばぶねのこいで)

●住所  金沢駅西店

   金沢市諸江町32ー26


●電話番号

   076-234-1255

  

●公式HPがあります

    ホームページはこちらから


●営業時間

    9:00~18:30


●休業日

    1月1日・2日


●柏餅

    こしあん140円

    よもぎ粒あん140円

  


5月は一年で一番過ごしやすい季節、そして5月5日は端午の節句です。

奈良時代からの古い行事で、子どもの健やかな成長と無病息災を願う日です。

 

5月の爽やかな風をいっぱいうけて、

鯉のぼりが元気よく青空を泳いでいます。




孫のために
折り紙で作ってみました。

 

 
金沢では端午の節句には

柏もちを食べるのが一般的ですが、

柏の木があまりない西日本では

粽(ちまき)が一般的だそうです。


5月5日は中国の政治家の屈原(くつげん)の

命日(石を抱いて入水自殺した日)です。

国民から厚い信頼を得ている志の高い人でしたが

失脚してしまい、絶望から川に身投げしました。

悲しんだ国民が屈原の体が魚に食べられないように

川にちまきを投げ入れて魚を追い払いました。

彼の供養と国の安泰を願う祭りとして

中国に広まり、やがて日本にも

伝わってきました。


 
それではなぜ端午の節句にかしわもちを食べるようになったのでしょうか?

柏餅は江戸時代中期、徳川九代将軍の家重の頃、生まれました。

柏の木は落葉樹です。

ところが葉っぱは秋に茶色くなりますが、落葉しません。

え~? そうなんですか?  この年まで知りませんでした。

春に新芽が出るまで枝にひっついていて、葉っぱが落ちないのです。

子が生まれるまで、親は死なない……

そこから「家系が絶えない」「子孫繁栄」と結びつけられ、

柏の葉っぱで巻いた柏餅は、縁起のいいお菓子として定着しました。

そして参勤交代によって、日本全国に広まりました。




というわけで今年は

金沢の老舗和菓子店の小出で

買ってみることにしました。


「かしわ餅」の大きなのぼりが立っています。

5月の20日頃まで販売されるそうです。

ちなみに”ちまき”は

5月5日まででした。

 
 

 
小出は生姜せんべいの”柴舟”で有名ですが

甘過ぎて私は好きではありません。


でもわざと袋から出して

湿気らせるとおいし~くなります。

歯ごたえがしんみりして何ともいえません。

ああ、久しぶりに食べたい。

 
白いお餅には”こしあん”と”味噌あん”

そしてよもぎの草餅には”粒あん”の

三種類が販売されていました。


かしわもちといえば、

白いお餅にこしあんが一般的ですが、

粒あん入りの草餅も食べてみたかったので

2種類買ってみました。

 
こんな食品サンプルがありました。

面白いので写真を撮らせてもらいました。


   
柏の葉は手の平と似ています。

16本指ですが……。


柏の葉は昔から神様へのお供え物を

盛りつけるお皿として使用され、

また柏餅を包んでいる姿が

柏手を打っているように見えるので、

縁起がいいと言われてきました。


 

柏は英語では

Japanese Emperor Oak

(日本の天皇のオークの木???)

日本の他に、朝鮮半島や中国にもあります。

 
厚いコルク質の樹皮を持つ柏は、

火にも強く、山火事の後にも生き残ります。

北海道の東部の5~6月は乾燥し、

しばしば自然発火が起こりますが、

柏の木だけが生き残るそうです。

すごい木なんですね……


 


葉っぱごと食べる桜もちですが、柏もちの葉っぱは普通食べません。

では、なぜ葉っぱに包むのでしょうか?


①香り効果がある

    落ち着いた香りは精神を安定させます。


②殺菌作用がある

    殺菌作用のある柏の葉っぱでくるんで、菌の繁殖を防ごう

と考えた昔の人の知恵が詰まっています。


③保湿効果がある

    お餅を柏の葉っぱでくるむことによって、乾燥を防止します。


④葉っぱに包むことで、初めて柏もちになる

    あんこ餅が柏の葉っぱに包まれずに

    そのままなら「ただのあんこ餅」です(笑)。


 
有名なエピソードがあります。


 昭和天皇は「出されたものは残さず食べる」を

文字通り実践していました。

ある日、宮内庁の料理人が柏餅をお皿に

盛って出したところ、

昭和天皇はお皿に盛られた食べ物は

全て食用という認識から

「美味しくない」と言いつつも、

葉脈だけを残して葉っぱごと食べました。

かなりまじめな人ですね。

 
   
アイヌのこんな伝説もあります。



アイヌが和人に

「カシワの葉が落ちる頃に返す」と言って

お金を借りました。

和人は葉が落ちる頃に

お金を返してくれるのだろうと思い、

秋になって返済を催促しました。

ところがアイヌはカシワを指さして

「まだ落葉していない」と言われ、

春まで待たされました。



なかなか興味深いお話です。


 

ビニールからお餅を出して

直接葉っぱに包み直しました。


味はやっぱり昔ながらの

白にこしあんが好きです。

 
実は小出さんのかしわもちは

葉っぱにお餅が包まれていませんでした。

ビニールに包まれたお餅が

葉っぱに包まれていたんですよね。

つまり、葉っぱの香りがお餅に

ついていませんでした。

どうして直接包まないのかな???

疑問です。

せっかくの葉っぱなのに……。

意味がないでしょう?

 
 


原材料が米粉・砂糖・小豆・食塩

だけなので
消費期限は当日限りでした。

でも多分、次の日でも大丈夫です。


 
 
 
柱~の傷は おとと~しの

五月五日の 背くら~べ

ちま~き(柏もち)食べ食べ、

兄さ~んが計ってくれ~た 

背のたけ~


 
2021年5月
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