【No.2ホタルを見に行こうよ-湯涌温泉玉泉湖

金沢のじじばばの金沢写真散歩〜 
 


 
金沢市内なんですが、少し山の方に湯涌温泉という小さな温泉があります。

そこに玉泉湖(ぎょくせんこ)という湖というより小さな池があって

ホタルがいるという話を聞きました。

私たちは湯涌温泉に行ったことがありますが、

玉泉湖には行ったことがなく、その存在すら知りませんでした。

ああ、これで金沢人といえるんでしょうか。恥ずかしい……

行ったこともない所に暗くなってからホタルを撮影するのはむずかしいので

前もって別の日の明るいうちに下調べに行こうと思いました。


 
 

今日は6月17日、梅雨の合間の快晴日です。

湯涌温泉は田上から行くのですが、実は田上には金沢刑務所があります。

昔、私(ばば)が子どもの頃は、金沢刑務所は家の近く(小立野)にあって、

子ども心に高い塀は怖かったものでした。

子どもは背が低いので、なおさら高く感じたのかもしれませんが。

大分前に引っ越しして、田上にあるということは知っていましたが

行ったことがなく、どうしても見たくてちょっと寄ってみました。


移転した頃は、住宅地の中にはなかったんだと思いますが

今は塀には囲まれていても、昔ほど高くはなく刑務所とは気づかないくらいでした。
(上の写真、右の植え込みの上が塀です)

ちなみに刑務所の入り口にも入ってみましたが、写真は厳禁なので見るだけで出てきました。

日本5大監獄のひとつだったらしく、現在は明治村に保存されているそうです。





明治村に保存されている金沢刑務所です。

門の左側に切れていますが、煉瓦の高い塀が見えます。

ここまでは誰でも見れましたが、下の写真の各独房へとつながる廊下部分は

明治村に移築されたから見れる部分です。



 
 

これが金沢市内から湯涌温泉へと通じる”魔の湯涌街道”です。

子どもの頃、私(ばば)の父は湯涌街道のことをそう呼んでいました。

つまり、曲がりくねって事故が起こりやすく、

しかもスピードを出す車が多かった道ということです。

でも今、車で走ってみるとそんなに危ないカーブがないように思います。

事故がよく起きてきた道なので、直線化されてきたんでしょうか。。



ホタルが出る頃は、大好きな田んぼがきれいな季節でもあります。

うちの家の周りも田んぼですが、湯涌の田んぼは建物がないので本当にきれいです。

湯涌在住の知り合いの方は「これだから、湯涌から離れられん!」とおっしゃっていました。

  

所々に大きな案内看板があるのでわかりやすいですが、

湯涌街道ーゆず街道??? 何のことでしょうか?

金沢市が沿道に600本以上の柚子の木を植樹したらしいです。

”魔の湯涌街道”は、今は”柚子の街道”となりました。

イメージがガラッと変わっていいような悪いような……複雑な気持ち……

 

左の橋を渡ったところにあるのが5つの大きな旅館ホテルと江戸村(丘の上から移築された)。



橋の手前を右側に進むと、総湯の白鷺の湯と商店街と4つの小さな旅館があるようです。

案内板によると、玉泉湖は白鷺の湯のもっと奥にあります。




商店街の中にこんな昭和なお店がありましたが、夕方から開店で閉まっていました。

 
 

工房という名前からして何かを作る所でしょうか?



この昔懐かしい看板の頃は多分、1970年以前だと思われるので

味の素が石油から作られていた(だから化学調味料)時代だと思います。

1970年以降は、さとうきびなどを発酵させて作っているので化学調味料ではないと思います。

昔、私が子どもの頃は、今と違って、何かにつけて

みんなが味の素やハイミーを使っていました。

漬物には味の素、吸い物にはハイミーでした。

 
 






 
 
 
 
 
 
 
 

この建物が”お宿やました”さんで、この奥が玉泉湖です。

 
 

お宿やましたさんの向かいに結構広い無料駐車場があってここに車を置きました。

喜船商店さんの前にも無料駐車場があります。

 
 

以前は湯の川(浅野川の支流)をせき止めて作られた人工的な湖で水も汚かったみたいですが、

2008年の大雨で水路ができて、水がきれいになったそうです。

水が循環するようになったんですね。

そして驚くべきことに、川をせき止めて湖を作ったのは自治体ではなく、

今はありませんが東洋一と言われていた”旧白雲楼ホテル”でした。

これってどれだけお金がかかることでしょうか!!!

やはりそういう風にお金をどんどん使っていったので倒産したんだと思いました。

 
 

途中、右側にトイレがありましたが、男子トイレしかありませんでした。

女子はどうしたらいい……(笑)

どうしてなのか謎です。

でも湯涌商店街の中にきれいなトイレがあるので大丈夫です。

 
 

お宿やましたさんの前の駐車場から歩いて10分もかかりませんでした。

玉泉湖はホタルの里としてふさわしいかどうかの調査で、

金沢市の候補地の中で、まず最初に選定されて整備されたそうです。

ホタルは湯涌温泉の”宝”です。

 
 

1周しても500メートルで楽に歩けます。

この地図に源氏ホタルと平家ホタルがどこに出るかが書いてありました。

でも観光案内所の職員の方によると、その時によって変わるそうです。

この看板から見て、右上の丘の上に旧白雲楼ホテルは建っていました。

 
 
 
 

この管は湖に注いでいるので、ここら辺で流れの好きな

源氏ホタルが出るのかなと思いました。

下の写真の場所も流れがあります。


 
 

湖面に緑の木と真っ青な空が鏡のように映ってきれいでした。

 
 

すると向こうから鴨ちゃんが二羽仲良く泳いできました。

 
 

こんなに美しい湖面が見れたのは鴨ちゃんたちのおかげです。

波紋(水面に広がる模様)が美しい!

 
 
 
 

「きれいだねぇガコガコ。また泳ごうよガコガコ。」

 
 
 
 
 
 
 
 

あんまり美しくて、こうなったら夜のホタルなんてどうでもよくなりました。

 
 
 
 
 
 
 
 

散歩道を歩いています。

湯涌温泉の宿泊客の人たちにとって、温泉に入った後のいい散歩コースだと思いました。

途中、日本語を話していない(多分、中国語)外国人カップルと会いました。

温泉街から歩いてすぐのきれいな湖は外国人にも人気なんでしょうか。

 
 

こんなきれいな橋まで架かっています。

 
 
 
 

雪を保存しておく氷室小屋です。風情がありますね。

毎年、6月30日に夏の風物詩 氷室開きがあって、

テレビのニュースで見たことがありましたが

実際に見てみると、意外に小さい小屋でした。

今日は6月17日なので、この氷室小屋の中には雪があるということですよね。

夜は18時から22時までライトアップされるそうです。


 

江戸時代には加賀藩が氷室の雪と氷を7月1日に江戸の徳川幕府に
4日間かけて運んで、献上していたと言いますが、
いくら大きな塊の雪でも、新幹線もない昔に江戸まで運んでいったら、
溶けておにぎりくらいの大きさになっていたのでは……。



雪は氷室の
地下に保存してあるんです。
やはり地下に入れとかないと、すぐに溶けるんですね。
でも冬(1月下旬)に入れた雪の7割以上は残るそうですから
まさに天然の冷蔵庫といえます。電気冷蔵庫と違い、電気使用料は0円です。


中日新聞によると現代のルートは

@湯涌温泉氷室小屋→A歩きで湯涌薬師寺→Bトラックで石川県庁・金沢市役所・近江町市場
@氷室小屋→A東京文京区・板橋区・目黒区役所(加賀藩屋敷があった)、国土交通省のようです。



それにしても今の私たちは何というぜいたくな暮らしをしているのでしょうか!
まさにアイスクリームの歌そのものです。

「おとぎばなしの王子でも昔はとても食べられないアイスクリーム
ぼくは王子ではないけれどアイスクリームを召し上がる……」

替え歌にしてみました。

「江戸時代の殿様でも昔はとても食べられないかき氷、かき氷。
ぼくは殿様じゃないけれど、いちごのかき氷を召し上がる……」

 

この氷室小屋の横に散策路が作ってあって、歩いて旧白雲楼ホテルがあった

丘の上に行けるようなので行ってみました。

 
 
 
 
 
 

夫がなかなか登ってこないので、仕方なくここの丸太ベンチで休んで待っていました。

スマホで電話してみましたが、多分車の中に置いてきたらしい……トホホ……

 
 

せっかく登ってきたので、中の園地と上の園地も1人で歩いて登ってみました。

上の園地でも夫をどれだけ待っていても来ないので、仕方なく降りることにして

「ヤッホー」と叫んだら、「ヤッホー」と答えてくれて

下の方の分かれ道で待っていました。

 
 



玉泉湖と徒歩での山登りから帰って、もう1度車で登る前に

商店街入口の喜船商店(喫茶 湯のかわ)で一休みしました。

疲れて食べた 柚子街道で採れた柚子使用のゆずソフトクリームは美味しかった。

 
 

温泉商店街の右手に坂道があり、中の園地・上の園地、そして高尾山に車で行けます。



歩いて中の園地と上の園地に登るのはもう無理だーというので

車で上まで行くことにしました。

車で行けるのは知っていましたが、歩いて登るのとは美しさが違うんです。

ああ、もったいない。

 
 

中の園地に着きました。

さっき1人で歩いて来た所です。

この場所に白雲楼ホテルは建っていました。

 
 

休憩する東屋があって、古い写真がありました。

 
 

玉泉湖から見ると右上に白雲楼は建っていたんですね。

白雲楼ホテルは1932年(昭和7年)に開業した豪華なホテルで

東洋一のホテルと言われていました。

豪華な建物の他、川をせき止めて作った玉泉湖や

ゴルフ場、プールまでありました。

戦後はアメリカGHQの保養施設として接収されましたが、

その後、昭和天皇や吉田茂首相などが泊まるなど栄華を極めましたが、

1998年(平成10年)に倒産しました。

 

絢爛豪華な大広間です。まるで江戸城。

北欧様式+南欧様式+日本様式を織り交ぜた設計で、壁や欄干のひとつひとつに至るまで

凝っていたので、登録有形文化財に登録されました。

 

倒産後は元の建築が美しく、廃墟マニアに人気のスポットとなりました。

その一方で暴走族やホームレスの人たちが中に入り込んで、宴会や落書き、

破壊行為、放火、お宝なども盗まれたり……

そして雪の重みで自然破壊するなど荒廃が進み、

金沢市は保存を断念して文化財指定も解除して、解体を決めました。

 


白雲楼ホテルは経営難から、あらかじめ営業終了日を決めていましたが、

電気料金を滞納していたので、北陸電力が送電をストップして営業できなくなり、

予定を繰り上げて営業を終了しました。

電気料金も払えなくなるくらいとは………。

倒産時の負債総額は192億円だったそうです。

 

白雲楼ホテルはこんなに景色のいい所に建っていたんだな……すごい!

その当時、泊まってみたかったです。残念。

 
 
 
 

白雲楼で使っていたであろう古い古い消火栓がありました。

こうやって、幻の白雲楼ホテルを偲ぶのもいいなと思いました。

 

こんな小さな池もありました。

多分こんな所にも平家ホタルはいっぱい出るのでしょうが、

中の園地は全く街灯がなく、野生動物もいるので

夜は絶対に行かないで下さい!と観光協会の人に言われました。

そしてこのそばにプールもあるはずなんですが、どうしてもわかりませんでした。

それがくやしくてくやしくて………(笑)

廃墟マニアじゃないんですが(にわか廃墟マニアかも)プール跡が見たかったんです……

何でも50ヤードで8コースあったらしいのです。

メートルじゃなく、ヤードを使っていたというのも外国かぶれみたいで面白い。

1ヤードは約91cmなので、50ヤードは45mだからほとんど50mプールです。

ヤードは現在、イギリスとアメリカ合衆国でしか使われていません。

 
 

水力発電で使われていた機械が展示してありました。

驚いたことに、白雲楼ホテルは水力発電で自家発電までしていました!

1939年から1998年まで60年間、実際に使われていたんです。

白雲楼ホテルは川をせき止めて湖を作っただけじゃないんですよ!

どれだけお金持ちだったんでしょうか。

金沢に長い間住んでいて、白雲楼のことを昔から知っていたにもかかわらず

人工湖や水力発電のことなんて、全く知りませんでした。

 
 
 
 
 

次に上の園地まで散策路を歩いて行ってみます。



この坂道は車で上の園地まで行く道路です。

車でも行けますが、夫の運動不足解消のため歩いて行きます。


 
 
 
 

この階段を下りて右に曲がると、上の園地です。


 
 

金沢城の石垣そっくりさんがありました。

 
 

ここにはかつて「江戸村」という江戸時代の街並みを再現した町がありました。

その後、江戸村は湯涌温泉の橋を渡った奥に移築されました。

そしてこの城壁はその後作られたものだそうです。

 
 

裏に回ると、敵を撃つための鉄砲穴がありました。


 
 

車で上の園地まで来たら、この駐車場に停めればいいんですね。

 
 

そしてこの駐車場から右に高尾山(763m)に登る道がありました。

湯涌温泉バス停の標高が約200mなので実際に登るのは560mくらいです。

東京の高尾山と同じ名前ですが、こちらは「たかおやま」と読みます。

湯涌温泉の裏山です。

 
 

お昼になったので、以前次女と一緒に来たカフェーでお昼を食べることにしました。

”ハンモックカフェー とある丘”……変な名前(失礼)なので、覚えやすいです。

このバス停は本当のバス停ではありません。

バス停風の看板なんです……かわいい……

 
 
 
 
 
 

古民家をリフォームしたカフェーです。

 
 

食事はハンモックのある2階ではなく1階で。

 
 

セットは老人なので食べられないだろうと思い、

単品でパスタ2種類を注文しました。


 
 

ミラノサラミと加賀太きゅうりのトマトソース

加賀太きゅうりを時々つまむと、いいアクセントになります。

 
 

生ハムと九条ねぎのナポリタン

京野菜の九条ねぎ、初めて食べました。

分葱とよく似ていますが、ぬめりがもっとあります。

金沢でも植えればできるんでしょうか。

 
 
 
 

スパゲティ―を食べた後は、2階のハンモックコーナーで休みます。

 
 

混雑していたら、90分までで、次のお客さんに交替です。

 
 
 
 

パスタを食べてお腹いっぱいなので、スィーツをひとつだけ注文しました。

甘い飲み物は頼まずにお水をもらいました。

 
 
 
 

お昼を食べなかったら、小倉豆乳ラテとかおいしそうです。

湯涌柚子カルピスソーダも飲んでみたかったけど、また今度。


 
 

例えば銭がめの入浴料700円+スィーツ600円+ドリンク600円=1900円が

400円引きで1500円になるということですね。

 
 

ミックスベリーのパンナコッタを2人で分けて頂きました。

ラズベリーが生っぽくてとても美味しかったです。

 
 

ハンモックから近くの川でのんびり鮎釣りをしているのが見えました。

 
 

明るい時にホタルの下調べに来たのに、思いがけずいろいろ楽しめました。

鴨ちゃんたちのおかげで玉泉湖の美しい湖面、旧白雲楼跡と水力発電機、ハンモックカフェー……

次回は暗くなる頃、もう1度ホタルの撮影に来ます。

下調べしてあるので、どこに何があるのか、しっかりわかるようになりました。

 

そして約1週間後の6月25日に玉泉湖にやって来ました。

入口のホタルの出没地図によると



右側の氷室小屋の方はライトアップされているのでホタルが嫌うかなと思い、

源氏ホタルも平家ホタルもいるらしい湖の左の方にあるあずまや橋に行って

 

カメラをセットして暗くなるのを今か今かと辛抱強く待っていました。



全くただの1匹も飛んでいませんでした。

どれだけ待っていても全然来ませんでした。

はなしが違う……

 
 

仕方なく、入口まで戻ろうと湖の周りを歩いていると、

飛んでいるホタルがいました!(写真左の方です)


 
 

写真右の方の緑の点がホタルです。

小川がすぐそこに流れている白鳥路に比べると、
遠い所(湖の上)で飛んでいるので、光も小さく見えます。



温泉の宿泊客らしい人たち数組が、湖の周りを散歩していきました。
いい散歩道だと思います。




写真真ん中の2つの点がホタルです。

 
 

玉泉湖は明るい時でも暗くなってからでもとてもきれいでした。

 
 

氷室小屋がライトアップされていました。

ライトアップされてなければ、その周辺でホタルが見れたかもしれないのに……ブツブツ…

 
次のトピックへ    トップページへ戻る