自宅に招待してくれた私のドライバー


 【60歳からのスリランカ一人旅】

  ドライバーは25歳のシンハラ人です。高校卒業後、6年間観光ドライバーをしています。英語とフランス語と少しの日本語まで話せます。彼の会社で、フランス語を話せるドライバーは彼だけらしいです。私がフランス人は英語が話せるんじゃないかと聞くと、南フランス人は話せないとのことでした。Our company French speaking only me.と自慢していました。誰とでも気さくに話をする青年です。左の写真ではアヌラダーブラで入った茶店のおじいちゃんと話をしています。
  日本からのおみやげは今、アメリカで人気のケン玉にしました。
This is a traditional Japanese toy, KENDAMA.
   (これは日本の伝統的なおもちゃのケン玉です)
It has a ball, a string, and 3 cups.
   (玉と糸と3つのカップがついています)
People try to swing the ball into one of the cups.
   (玉を振って3つのカップの中の一つに入れるんです)
などと説明し、まず私がやってみましたが、大失敗。次にやってみてというと何と1回目で成功してしまったのでした。ああ、日本人としてはずかしい。見たことも触れたこともないケン玉が軽く出来てしまった器用なスリランカ人でした。
  月日と曜日を聞くと、全然違う日と曜日を言うので、おもしろくて毎日のように聞きました。例えば、8月4日(月)にWhat’s today’s date? と聞くと、
It’s August 7th today.    
What day is it today?と聞くと、It’s Wednesday today. とこんな感じです。冗談で間違えているのではなくほんとに間違えるので面白い。また彼は変なことにも驚きます。私が日本から持っていった傘は10年間使っている大切な傘だと言ったらびっくりして”Ten years, ten years.”(10年間?)と何回も繰り返して、随分驚いていました。スリランカでは10年間同じ傘を使う人はいないのでしょうか。
  私がどこか行っている間、必ずエンジンを切って、窓を開けて車にいるか必ず鍵をかけて近くに待っていました。決して冷房の車で待っていることはありませんでした。日本なみにガソリンが高いから、少しでもエンジン切りたいのでしょうね。でも私が乗っている間は、しっかり冷房をかけてくれました。省エネなドライバーです。
  私が果物のパパイヤとマンゴとグレープフルーツを買いたいというと、何軒も根気よく回って聞いてくれました。シンハラ語でパパイヤはガスラボ、マンゴはアンバと言います。何回も何回も聞いたので、そのシンハラ語を覚えてしまったくらいです。左のカード屋(水牛のヨーグルト)も、最初にガイドブックで見たカードが食べたいと伝えてあったら、ちゃんと覚えていてくれ、希望をかなえてくれました。しっかり頼んだことを覚えていてくれます
  友達の多い人です。どこに行っても、友達や知り合いがいて、情報交換したり、いいレストランを教えてもらったりしていました。左の人はコロンボのホテルのロビーで、出会った友達のガイドです。
  この人も、仲のいいキャンディのトゥクトゥクドライバーです。トゥクトゥクに乗っている間、ずっとシンハラ語で楽しそうにしかも機関銃のように、おしゃべりしていました。 
   ある日、ドライバーの会社のボスから携帯に電話があり(もちろんシンハラ語です)、私が、誰からの電話?Who were you calling?  ボスは何て言った?What did he say? と聞くと、12月に4人のフランス人が来るけど、大丈夫かと聞かれたそうです。12月まで予定が決まっているとは、人気ドライバーですね。
  ヌワラエリアは高地なので、寒いとは聞いていましたから、私は温かい物を日本から用意していったのですが、彼は全く用意していませんでした。半袖のTシャツでは、あまりにも寒そうなので私の冬用のショールを貸しました。若い人は日本でもスリランカでも同じで、やせ我慢をします。私も昔そうだったし〜。
   私がスリランカに来て、最初の頃に、スリランカではお寺で象を飼っているんだってね〜。すごいね。見たいな〜。と言っていたのをちゃんと覚えていて自分の家のそばのお寺の象を見せてくれました。日本と違い、えさ代にお金がかからないのです。森に行けばどれだけでも、象のえさになる木が生えているからです。南の国は豊かです。
  いつも約束した時間より、私もドライバーも早かったのですが、一度だけ約束した時間より私が15分遅かった時、「初めて遅れたね」と、彼はとても驚いて言いました。しかしそれ以後、彼は遅れる様になりました。私も一度遅れたので強いことが言えないですね。50歩100歩という言葉が頭にぐるぐるぐるでした。でも、のんびりしたスリランカ時間もいいものです。スリランカでは、同行するドライバーやガイドが多いので、彼ら専用の部屋がホテルにはあります。ですから、携帯電話を持っていなくても、連絡が簡単につきます。たいてい、ホテルのロビーで朝、待ち合わせました。
  彼は町で売っている葉っぱに包んだ煙草みたいなものを絶対に買ったらだめと言いました。それがなぜなのか最後までわかりませんでした。そんなに禁止するから、どうしても買いたくなって、自分は煙草が大嫌いなのに買ってしまいました。店の人が葉っぱを広げて、中の煙草の葉をかじってみろ、ハイになるよと言うので、かじってみたらハイにはならず、まずいだけでした。あれは煙草でしょうか? それとも?
  スリランカにはコロンボのごく一部を除き、信号がありません。この信号がないという情報は、日本にいる時は全く知らなかったので、本当に驚きました。まあ、こちらの運転はジェットコースター並みだとはネットで知っていましたがここまでとは正直思いませんでした。一番すごいのは、1車線の道路で追い越す時。向こうから車が来るのがわかっていても、強引に追い抜きほんのわずかの差ですり抜けます。日本なら、絶対に追い越せないようなケースで、しかも誰も事故を起こしません。2週間の間、1回も事故の車を見たことがなかったのです。この国では遠慮していたら、いつまでも目的地には着かないことでしょう。彼に日本で運転したら、絶対にストレスたまると言ったら、笑っていました。一度、コロンボで小さい通りから大きい通りに出たとたん、彼が警察に止められ、車の外に。帰ってきて、What’t the matter?(どうしたの?)と聞くと、もじもじしているので、 Did you break against the traffic rules?(交通違反した?)と聞いたらYes.でした。1100ルピーを明日、払わなければならないとのことでした。
  スリランカ風に手でのカレーの食べ方を 、家庭訪問の家で教えてもらいました。やはり、スリランカ人はうまいものです。
  田んぼに囲まれたドライバーの家は、コロンボから車で1時間半くらいの所にありました。
  奥さん・赤ちゃん・お母さん・おばあちゃん・お母さんの妹と二人の子供・おばあちゃんの妹・あと誰かわからない親せき・近所の人たちが私を皆で待っていてくれました。
  交叉いとこ(親同士が性別の異なるいとこのこと)同士の結婚が好まれると聞いていましたが、ドライバーに聞いてみたら昔は多かったけど、今は近親結婚になって子供のためによくないので少ないとのことでした。やっぱり、いとこは血が結構濃いと思います。いろいろ昔とは変わってきているんですねまた、スリランカはインドのように、2〜3世代が1つの家に同居する合同家族や兄弟夫婦が同居する拡大家族は、ほとんどないそうです。たいてい一組の夫婦とその子供たち、つまり日本の核家族が基本的な単位になっています。結婚した夫婦は親から独立して新しい世帯を持つのです。ですからドライバーの家も奥さんと赤ちゃんとの3人家族でした。ご両親の家は近所にありました。
  右はおばあちゃんです。つまり赤ちゃんはひ孫ということです。ドライバーに奥さんとはどうやって知り合ったのか聞いてみたら、お母さん同士が同じ職場だとのことでした。 でもカーストが同じくらいなのかは、やはりタブーかなと聞けませんでした。
  家の中は涼しく、きれいに整えられていました。ブロックで出来ています。
  仏陀が部屋にあり、いつお参りするのかをきいたら、朝と夕方の2回だとのことでした。
  壁にも絵が。仏陀の背後の寺はキャンディの仏歯寺ではないでしょうか?
  赤ちゃんのベビーバスです。お風呂に入る所を見たかったなと思います。
   お母さんがマッチで火をつけてお湯を沸かしています。
  台所です。
  私の家と同じ魔法瓶があったのがうれしかったです。
  冷蔵庫です。
  外には洗濯物が干してありました。
   これは井戸です。
   ドライバーのいとこです。みんなに愛されて育っている赤ちゃんです。
  10日以上、家に帰ってなかったので、赤ちゃんはお父さんから離れません。
  これは煙草です。おばあちゃんがすすめてくれました。私は煙草を吸わないので、残念ながらお断りしましたが、この時だけは、煙草好きならよかったのにと思いました。
  お母さんが私の大好きなスリランカンフードのエラワルロティとカトレットとパリップワデーとプレーンティーを用意してくれていました。ドライバーが電話でお母さんに私の大好きな食べものを連絡しておいてくれたのでした。手前の水はフィンガーボールです。手を洗いました。
  左の三角がエラワルロティです。これまで食べた中で最高に辛くて美味しいものでした。私が辛いもの好きということをドライバーは知っているのでお母さんに伝えておいてくれたのです。感激です。
   この子は、お母さんの妹さんの息子さんです。
  皆さん、日本人を見るのが初めてだったようです。近所の両親の家にも寄りイケメンのお父さんにも会いました。お母さんの妹の息子さん(つまりドライバーのいとこ)が今から、仕事に行くというので、途中の町まで車に乗せてあげました。スリランカで一番、楽しかった思い出です。本当に皆さん、ありがとうございました。今も時々、パソコンメールでやりとりしています。また皆さんに会いたいです。
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