スパイスガーデンで足のタコを蛸と間違われた


【60歳からのスリランカ一人旅】

  マータレーにあるスパイスガーデンは見るだけなら無料です。
スリランカは宝石や紅茶の他に、こしょうやシナモンなどの香辛料の産地としても有名です。古くから香辛料を求め、イスラム商人やポルトガル・オランダ・イギリスの貿易船が、次々にこの島を訪れました。豊かな島スリランカです。
  日本語のペラペラなスリランカ男性係員が説明してくれました。
最初の彼の言葉が「お手洗いはよろしかったでしょうか?」でした。なんでそんなに日本語が上手なのかと聞いたら、スリランカの日本大使館で教えてもらっているとのことでした。大使館ってそんなこともしているんですね。まあいいことですね。この人はネットによると、かなり有名人らしいですね。
  いろいろなスパイスを詳しく説明してもらいましたが、印象的なことだけをいくつか。
まずウコン(ターメリック)は産後の妊娠線を取ってくれる働きがあるそうでつまりは顔のしわにも効くとか。 またアトピーにステロイドクリーム(日本の皮膚科で出す薬)はすぐに効きますが、いろいと問題も起こります。でもウコンはゆっくり効いて、副作用もないのだそうです。アーユルベーダ医学です。小さな時からウコンオイルを塗ってマッサージをするインドやスリランカではアトピーの子供はいないらしいです。
  スリランカやタイのお坊さんの僧衣の色は鮮やかなオレンジです。これは実はウコンで染めたものです。虫がつかないのだそうです。昔は死体にウコンを塗り、腐敗を防いだということです。虫が嫌う成分なのですね。日本のお坊さんの僧衣は黒か紫なのに、なぜスリランカではあんな派手なオレンジなのかが不思議でしたが、理由がわかりました。理由があったんですね。
  このレンコンのようなものが、カカオとは……。驚きました。全く想像外です。
  トロボは脱毛クリームに使われ、例えば坊さんになりたい人は頭に塗ると、5分で脱毛できるそうです。ひげは10分です。脱毛といえば、むだ毛の処理というイメージでしたが、そんな需要もあるとは、意外でした。みんなはげになりたくないから、いろんな薬を使って毛を生やそうとしているのに、髪の毛を脱毛したい職業もあったのですね。
  おなじみの生姜はスリランカ名物のジンジャービールにも使われるそうです。アルコール分0のビールです。
  右がスリランカライオンビール(アルコール分あり)。
左が国民的飲料 ジンジャービール(アルコール分なし)です。
甘すぎず、生姜の香りのきいた人気の飲み物です。
  ナツメグは肉や魚の消化を助けるので、お腹が痛い時に、塩水とナツメグを飲むとよいそうです。塩水も一緒にという所が味噌です。
  ジャックフルーツは果物なのにタンパク質が豊富らしいです。果物食べて、タンパク質を補給できるなんてベジタリアンにはもってこいではないでしょうか。
  私がスリランカで、一番見たかったのはこの”こしょうの木”でした。こしょうは体を温め、唐辛子は体を冷やすという全く反対の作用をするスパイスだったとは驚きました。そういえば、ロシアで唐辛子を使うとか聞いたことないし、やっぱりボルシチにはこしょうです。 
  アスパラは白髪の予防になり、目にもいいので眼鏡がいらないとのことです。スリランカ人に眼鏡の人がほとんどいないのはそのせいだそうです。医食同源ですね。
  コーヒー豆です。熟すと赤くなります。 
  説明の後、お店に連れていかれ、予想通り、買い物させられたので、中で一番安い、歯が白くなり、歯周病にもいいという歯磨き粉を買いました。普通の歯磨き粉と混ぜて使うとのことでした。しかし、日本に帰ってきて、それを使ってみたら、苦くて苦くて、良薬口に苦しで、ほんとに効きそうなのですが、二度と口に入れたくないというものでした。あ〜もったいないことをしてしまいました。
  「どこか体の悪いところはないですか?」と聞かれたので、足に“タコ”がたくさんありますと言ったら、「え〜?」という変な顔をされ「タコは海にいるものでしょう?」と言われました。それで日本語でタコには3つの意味があることを教えてあげました。こんな日本語は日本大使館では教えないんですね、やっぱり。その人のタコへの反応が本当に面白かったのです。私の足の裏に海のタコが吸いついているのを想像した?
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