スリランカの新聞には結婚募集広告があった


 【60歳からのスリランカ一人旅】

  スリランカで一番買いたかった物は、日曜日の新聞でした。ニゴンボの新聞屋さんで、60ルピーで買いました。日曜版は広告が多いので、どさっと重かったです。
  日曜日の新聞にはMarriage Proposals (マリッジ・プロポーザル)という結婚相手募集広告が載っていると、旅行前に読んだ本に書いてあったのでとても楽しみにしていました。変なことを楽しみにしている60歳です(笑)。もちろんシンハラ語はわからないので、英語版を買いました。その中からいくつかをわかるところだけ訳してみました。両親や兄弟が出しているのがほとんどだと思います。かなり詳細なプロフィールが書かれています。
<その1> 
28歳の娘で、銀行員です。彼女はすばらしい性格です。両親は仏教徒です。飲酒しないパートナーで、33歳かまたはそれ以下の、娘の身長の160pより背が高い方を探しています。
スリランカ国花の”ブルーロータス”です。
ブルーロータスはインド原産の花で、古代エジプトでは深い精神性の象徴として、儀式や薬として用いられていました。発掘されたツタンカーメンの棺の中にはブルーロータスの花が敷きつめられていたそうです。このブルーロータスは、キャンディの私のホテルに咲いていたものです。
<その2>
娘は42歳の子供のいない未亡人です。 家族は仏教徒です。46歳以下のパートナーを探しています。イスラム教徒とタミール人(ヒンズー教徒)は除きます。娘の身長は153pです。
   <その3> 
息子は26歳で160pくらいの娘さんを探しています。家族の詳細については、そちらの星占いの情報を見てからお知らせします。
キャンディの私が泊ったホテルで、幸運なことに、たまたま結婚式があったので、見学させてもらいました。キャンディアンダンサーを呼んで、華やかな式でした。  <その4>
27歳の娘です。身長は158pで、クリスチャンスクールで教育を受けました。まじめな性格のビジネスマンを探しています。
  <その5>
36歳の娘で高学歴です。身長は162pです。行儀正しいパートナーを求めています。両親は仏教徒でキャンディ出身です。娘はイギリスで高い教育を受けました。そして今はコロンボのインターナショナル協会で働いており、スリランカに落ち着きたいと考えています。星占いを添えてどうぞお返事をお待ちしております。
  <その6> 
34歳のハンサムで正義感にあふれた息子です。身長は175pです。コロンボ出身の仏教徒の母はシンハラ仏教徒のかわいい娘さんがほしいと思っています。コロンボで有名な病院の重役をしています。星占いと家族の詳細と連絡先を添えてお返事を下さい。
結婚するカップルはあらかじめ、上の写真の様な伝統衣装を着て、写真を撮り結婚式に飾り、一生大切にするのです。花婿さんはまるでマハラジャの様ですね。
下の写真は私のドライバーに見せてもらった結婚写真です。こちらもやはりマハラジャです。
 <その7> 
コロンボ出身のイスラム教徒が尊敬できる家族を持つ娘さんをさがしています。離婚した息子は36歳で、175pの身長です。職業は銀行マンです。
  <その8> 
兄が離婚したとてもかわいい55歳の若く見える妹のためにパートナーを探しています。星占いを添えて連絡を。
  つまりこれらの広告にはには宗教・年齢・身長・職業・学歴・女性の
持参財産(そのものズバリとは書かれていないが学歴などからわかる)
などが書かれており、星占いもかなり重要であることがわかります。
いくつか読んでみて感じたのは、資産家で高学歴の女性は未婚である
ことが多いということと、離婚が結構あるんだということでした。
ホテル結婚式の動画です。
小さな男の子が、タキシードを着ているのがオシャマです。
それにしても、 新聞で財産のことまで堂々と書いて、個人情報の問題もへったくれもないところがすごいですね〜この国は。
下の写真は、シギリアの私のホテルの庭で写真撮影をしていた結婚カップルです。  スリランカの星占いについて、ちょっと調べてみました。
スリランカでは星占いが重要視されているので、国の重要な行事や祝祭日の日時が星占いで選ばれている。個人の生活でも結婚式の日取りなど、なにかと占ってもらうことが多い。星占い的にお日柄がいい日は、結婚式のパーティーがよく見られる。生年月日と時間における星の軌道や位置によって性格・向いている仕事・金運・生き方・結婚・病気・努力すべきこと・これからのアドバイス・訪れる辛い時期などを占う。また占いの結果を親しい人に見せてはいけないとされている。もともとスリランカの占星術は仏教のお坊さんが仏の教えを伝える方法として始まったので、ただの占いではなく、ありがたい教えとして信じられているのだそうです。でも日本の仏教、特に浄土真宗なら、占いは信じてはいけないと説いていると思います。私も仏教の本来の教えとは全く関係がないように思いますが、そういう風に考える人はスリランカにはいないのでしょうか?
  スリランカの中流以上の階級では、お見合いの時に、相手家族の英語力を試すためにまず英語で話し、その後シンハラ語で話すということらしいです。中流階級では英語力の高さが結婚の1つの条件になっているということです。
  左の写真はコロンボのビーチでの愛愛傘です。こんなカップルがビーチにずらっと並んでおり、かなり有名なデートスポットです。仏教徒の多いスリランカで、カーストの違うカップルは結婚できないらしいのですが、そのせいで自殺するカップルもいるそうです。キャンパス用語で「カラッタ」ということばがあります。それは牛のメスオス2頭立ての牛車を含む荷車をもともとは意味し、これが学生のカップルに用いられるようになったそうです。「君たち、ご自由に恋愛を。でも背負う荷物は重いんだよ」ということらしいです。仏陀は昔、ヒンズー教のカースト制度を否定しましたが。
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