【金澤おでん赤玉】~60歳からの金沢外食日記~


                                                              2025年4月

 場所・電話番号 インターネット情報  営業時間・休業日 料金 (2人分)

赤玉本店

金沢市片町2ー21-2
 片町バス停からすぐ
 片町交差点の角にあるので
 わかりやすい

☎076-223-3330

駐車場なし
 近くにコインパーキング
 たくさんあり


公式HP
https://www.oden-akadama.com/

 更新されてないので
 値段も高くなっているし
 営業時間なども
 電話で確認した方がいい

営業時間(変化するので注意)
 1階 12:00〜15:00
    16:00〜22:00
 2階 16:00〜22:00

昼から営業は日祝のみ
予約(2階席)は夕方からのみ

おでん完売次第閉店

定休日 月曜日
 但し祝日の場合は翌日
   (電話確認)


おでん単品22品他
     6330円


現金のみでカードや
 電子マネーは利用できない







おでんとは???

おでんの語源は「田楽でんがく」で、田楽に女房言葉の「お」をつけて楽を省略して

「おでん」になったようなので、省略しなければ「お田楽」

そして女房言葉を省略すれば「でん」です(笑)。

今で言えば、ギャル語みたいなものですね。




実は金沢は人口ひとり当たりのおでん屋の件数が全国トップクラスだそうですが、

今までの人生で(71歳)一度も行ったことがありませんでしたから

死ぬ前に有名な金澤おでんを出すおでん屋に行ってみようと思いました。




昭和2年(1927年)の創業以来、金澤おでんを代表するお店として今なお、愛され続けています。

現在2025年ですから、もうすぐ創業100年になります。すごいですね〜。

お店の名前は名物おでんの赤玉(赤いすり身にうずらの卵が入っている)から来ています。

だし汁は塩味であっさりしています。

夏には夏おでんというのがあるらしいです。



2階にはお座敷と雰囲気のいい窓際の席があるとのことで

2階の外の見える窓際のカウンター席を2人分、予約しました、

予約していないと、行列に並ばなければなりませんが、

予約していれば並ばずに2階(予約のみ)に入れます。

でも制限時間(90分)があります。


ご飯セット(ご飯・味噌汁・漬物)のご飯は

白飯と茶飯
が選べます。

茶めしには2種類あり、お茶で炊いたご飯とおでん汁で炊きこんだご飯があります。

もともとは奈良の東大寺や興福寺のお坊さんが食べていた茶めしが起源です。



日本各地のおでんのだしは?

東京ー下町風で濃い醤油味

静岡ー黒い醤油味で黒はんぺんもあり、仕上げに魚粉をかける

大阪ー上品なうす味で金澤おでんはこれに近い

九州ー甘めのだしなのは九州独特の甘いお醤油を使っているからだと思います。



ではなぜおでんには「辛子」をつけるのでしょうか?



昔、おでん屋の大将が食あたり防止の目的で辛子を使ったことが始まりだそうです。

お刺身にわさびをつけるのと同じですね。

今なら便利な辛子チューブがありますが、当時は辛子粉を練り上げていました。

余談になりますが、私の実家の前はお豆腐屋さんで、鍋を持って豆腐を買いに行くと

そこのお店のおかみさんが辛子を練ってくれました。

ほんとかうそか知りませんが、おかみさんがお姑さんと喧嘩した後に辛子を練ると

ガ〜っと力を入れて練るので、とびきり辛くて美味しい辛子になるとか……

その話でうちの家族はいつも盛り上がっていました。(おかみさん、ごめんなさい)



ちなみにおでんは英語で”Japanese Oden, Fishcake stew"(かまぼこシチュー)と表現するそうです。

 
 
 
   
 
 



シャッターが半分閉まっていましたが、
「ご予約のお客様は
2階へおあがり下さい」と
書いてあったのであがりました。

 
 
 

予約した緑の見えるきれいなカウンター席です。掘りごたつ式になっていて足は楽ちんでした。

予約席の制限時間は90分でした。

私たちはお酒を飲まないので、1時間半でゆっくり食べられました。

 
 

窓の外はビル街です。

 

外の見える席以外はこんな感じです。

 
 
 現金のみのお店なので、注文もお店の人が
アナログ式に聞きに来て下さるのかと思ったら、
ここもタブレット注文でした〜。
ちょっと違うとこを触れると他のページに
飛ぶし、いやでした。
でも年寄りだからといってそんな文句ばかり
わがままに言うわけにもいかないので、
一応自分でして、ややこしいキャンセルだけ
お店の人にして頂きました。
お店のお兄さんは老人に親切でした。

 
 

こちらが私たちが注文した単品おでん22品です。

赤玉が目立っていますね。美味しそうです。

とてもぬる〜かったので、できることなら、

お皿ごと電子レンジにかけてアツアツにしてほしかったです。

ああ、自宅ならそうするのに……とブツブツ心の中で言いました。

何事も自宅でなければ、我慢しなければなりません。

でも猫舌の夫にはよかったと思います。

それにしても、赤玉さんのだし汁はほとんど塩味なのはなぜでしょうか?

私はやっぱり金沢大野のお醤油を使ったおでんが好きです。

能登では”いしる”をおでんに使うと聞いていますが、私も今度使ってみたいと思います。

    
全国好きなおでんベスト10は

大根・卵・竹輪・こんにゃく・はんぺん

厚揚げ・さつま揚げ・餅巾着・ごぼう巻き・じゃが芋

の順だそうです。
     
   
 おでん各種    単品で1個から注文できます。

     赤玉さんのメニューには親切にも外国人用に英語でも説明されているので、

一緒にそれもところどころ紹介していきますね。

 

大根ー(秋〜冬だけ金澤おでん)おでんの王様!
290円

源助大根は加賀野菜の1つで
ずんぐりとした形が特徴で、
普通の大根と比べて軟らかく、独特の甘みが
あります。煮崩れしにくいので、だし汁を吸い込んで
おでんにはぴったりの大根です。
旬は10月〜1月。

私たちが行ったのは4月なので
上の写真は源助大根ではありません。
ちょうどいい軟らかさでしたが、
あまりだしがしみ込んでいませんでした。
家で作れば、前日から作って
置いておくので、しっかりしみ込みます。



芋の子(里芋)
300円


金沢では里芋を芋の子と言います。

プールでいっぱい子どもがいたら
「芋の子を洗っとるみたいやった〜」
と表現します。

ぬめりを取って下処理してあるので
ヌルヌル感はありませんでした。
これも家で作ったらめんどうな下処理は
しないので、ヌルヌルで美味しい。
やっぱり商売屋さんは丁寧なお仕事を
なさるので、庶民的な味にはなりません。
芋の子はヌルヌルがおいしいんです!

  

ひろず(がんもどき)

370円

つぶした豆腐にれんこんや人参、きのこやひじきを
練り込んで油で揚げたものです。
金沢ではがんもをひろずと言います。

ほとんど人参で、もっときのこやひじき、
れんこんが入っていてほしかったですが
そうすると、とても高価になってしまうので
やはり無理なのかな。
ぎっしり入っていたら、もっと値段が
高くても満足するのにな〜と思いました。



椎茸
230円

椎茸に限らず、エリンギ、しめじ、
舞茸などきのこは何でも味が出ます。




こんにゃく

250円

黒色と白色がありますが、
私はひじきなどの海藻が入っている
黒色が好きです。

同じ値段ならそっちの方がお得でしょう。

jelly made from konyac yam routs.
(こんにゃく芋から作られるゼリーです)

 

糸こんにゃく
180円

こんにゃくよりも味がしみ込みやすいですね。
家で作る時に使わなかったので
今度作る時には使いたいです。
でもどうやって結ぶのでしょうか???
YouTubeで調べてみます。

 

魚すり身団子
360円

めぎすまたはいわしのすり身です。

 

ごぼう天さつま揚げ

200円


 
 

焼き豆腐
260円

 

厚揚げ
230円

 


銀杏(ぎんなん)
170円

お世話がなかなか大変な具材です。
殻にひびをいらせてから加熱して
殻と薄皮をむいたものを
つま楊枝に刺してあります。

Ginkgo nuts are plump and
have a chewy texture.
(銀杏の木の実はふっくらしていますが
歯ごたえのある食感です。)

これはちょっと間違っていますね。
確かに銀杏を焼いてすぐに食べると
もっちりして歯ごたえがありますが、
おでんに入れるとその歯ごたえは
なくなります。「


 
 

たこ
370円


Octopus simmered in dashi is
very tender.
(だしでコトコト煮込んだタコは
とても軟らかいです)

家でおでんに入れると
どうしても硬くなるタコですが
お店だからもう少し軟らかいかなと
想像していましたが、やっぱり普通に
硬かったです。


 

ふき
310円

春らしいふきです。
留めてあるのはかんぴょうではなく
食べられないひもでした。



筍(竹の子)
290円

4月のおでんはやっぱり季節の筍!



 

赤巻きはべんー金澤おでん
200円

金沢(富山も)ではかまぼこをはべんと言います。
赤と白の渦巻き模様が鮮やかなかまぼこ。

Boiled fish paste is coloured with
paprika pigment.
(パプリカの色素で着色されているかまぼこです)

赤巻きはパプリカで着色されては
いないと思います。多分、合成着色料です。
パプリカの色とは違います。


 


ロールキャベツ
340円

中にはなんと牛コマ切れ肉が入っています!
ロールキャベツといえば、普通はひき肉ですよね。
私の末娘が絶賛していたロールキャベツです。
他に糸こんにゃく・椎茸・人参・
竹の子などの具が入っています。
変わったロールキャベツで斬新ですが、
ロールキャベツは普通にひき肉と
玉ねぎで作って甘辛く煮た方が好きでした。


 
 
ふかしー金澤おでん
300円

はんぺんと似ていますが違います。
魚のすり身を蒸したもので、ピンク色と白色の
2色セットで売られています。
お吸い物にもよく使われています。


車麩ー金澤おでん
280円

ドーナッツのように真ん中に穴が空いている
車の車輪のような形の麩です。
こちらはカニ面と違い、お手軽なので
家庭でもおでんに使います。
昆布の出し汁をたっぷり含んで
口に入れるとじゅわっと旨味が広がります。

 



肉いなりー金澤おでん
330円

油揚げにひき肉・人参・玉ねぎを
詰めたもの。

美味しかった。
 



赤玉ー赤玉名物
390円

赤パプリカで色づけしたすり身にうずらの卵が
入っている赤玉名物の赤玉ばくだん!
これはなかなか美味しかったです。

 
 

春菊しんじょうー金澤おでん
290円

魚のすり身に春菊を混ぜたものですね。


本当は金時草を湯葉で巻いたのが
食べたかったのですが残念。


 

金澤生麩ー金澤おでん
290円

You can enjoy the chewy texture.
(歯ごたえを楽しめますよ)






ここまでが注文した22品です。

本当は全品食べてみたかったんですが、
予算とお腹の関係で無理でした。

 

実際には食べなかったおでんも見ていきましょう。
写真を撮れなかったので、赤玉さんのHPからお借りしました。
ありがとうございます。

 

カニ面ー金澤おでん

1800円!

カニ面に使われるカニは「香箱ガニ」で
ズワイガニのメスの小さなカニです。

スーパーではズワイガニよりも安いのですが、
(その日によりますが1杯300円くらいかな)

お世話が大変なので高価なわけです。
手間暇(手作業でしかできない)
がかかっています。

①カニの身

②カニ味噌

③内子(うちこ)ー甲羅の中にあるオレンジ色の卵

④外子(そとこ)ーお腹側にある茶色の卵

の4つを甲羅にギュッと詰め込んだものです。

 
金沢おでんの中で一番有名な具材ですが

家庭ではおでんには使いません。

普通にお酢とお醤油で食べます。

おでんに入れるなんてもったいないです。

おでんの味になってしまいます!





香箱ガニは冬だけ(11月初旬〜12月29日まで)
の季節限定です。

カニ面は予約が必要です。






ところでカニ面は誰が考えたのでしょうか?

「菊一」というおでん屋さんの初代が
考案して、金澤おでんの名物となりました。
今では金沢の他のおでん屋さんでも
食べられるようになりました。

 
 

竹輪

 

じゃが芋

この形からして男爵ではなく
煮崩れしにくいメイクィーンだと思います。


 

餅巾着(袋もち)

油揚げにお餅を詰めて
かんぴょうで口を閉じてあります。

 

さつま揚げ

江戸時代に薩摩(さつま)藩主だった島津斉彬が
誕生させたと言われている鹿児島の名物。
油で揚げることにより暑い南国で
保存性が高まります。

 
 

ゆで卵

先にゆでて殻をむいてあったものです。
ただのゆで卵と違って、おでんのだしが
しみ込みますが、煮過ぎると色が悪くなります。


 

結び昆布

水で戻してから結んであったものです。
私の家では”結ばない昆布”です。

seaweed(海藻)

This is knotted oden kelp
that is rich in dashio stock.
(これはだし汁がたっぷり入った
結び目のあるおでん昆布です。)

 

バイ貝

バイ貝はその名前から「福が倍バイになる」という
縁起のいい巻き貝です。
コリコリした食感と甘みがあります。
殻ごと甘辛く煮るつぼ煮が一般的です。
日本海の水深200〜500mにいる巻貝です。
食べる時はつま楊枝で取り出して
身を食べた後に、殻にたまった汁を飲むと美味しい。


 

ほたて

 
 

湯葉巻きー金澤おでん

赤玉のオリジナル。加賀野菜の金時草を
すり身に練り込んで、湯葉で巻き上げたものです。
金時草は濃い緑と紫色のリバーシバルな菜っ葉で
少し粘りがあります。
これも食べてみたかったのですが
ありませんでした。
一番楽しみにしていました。



 信田巻きー金澤おでん

油揚げを開いて、肉・野菜・豆腐・かまぼこなどの
具材を巻き込んだものです。

この信田巻きが食べたかったのですが
当日はあいにくありませんでした。
残念!


 
 

海老しんじょー金澤おでん

海老のすり身に卵白や長芋を混ぜて
揚げたものです。


 

かにしんじょー金澤おでん

同じくカニに   〃

 
 

肉団子

ひき肉は鶏ひき肉か豚ひき肉か?
 

いか天

魚のすり身にイカを混ぜて揚げたもの。


他に卵焼きやシューマイやソーセージもありますが、
気持ち悪い(独断と偏見です)ので省略しました。

 

地域性の強いおでんですが、ほかの地方では
どんなその地方らしい具を入れるのでしょうか?


北海道・東北地方……タラの白子・ぼたん竹輪(牡丹の花のような)・ぜんまい

関東地方……筋かまぼこ(サメの軟骨入りの練りもので独特の食感)・カレーボール

静岡県……黒はんぺん(灰色)・カツオのへそ(カツオの心臓)・鳴門

長野県……ソバを短いソバ切りやソバがきにしたもの

東海地方……豚バラ肉・どて串(豚もつ)・角麩(波状の模様がある生麩)

近畿地方……コロ(鯨の皮から油を搾った残りを乾燥させたもの)・湯葉・さえずり(鯨の舌)

四国地方……ホタルジャコ(魚を骨ごとすり潰して揚げたもの)

九州地方……馬すじ(馬肉のすじで熊本おでんの定番)・大豆もやし・骨付き肉

沖縄地方……てびち(豚足・沖縄おでんの中心的具材)・ソーキ(豚の骨付きあばら肉)・沖縄そば

 
 
”チビ太のおでん”

  

♬チビ太のおでん、チビ太のおでん、チビ太のおでんはサークルK♬

のコマーシャルが懐かしいですが、サークルKも今はファミリーマートに統合されてしまいましたね。

いろんなバージョンがあるようですが、三角+丸+四角の組み合わせは変わらないようです。

①△こんにゃく・〇ガンモ・□鳴門巻き

鳴門巻きは全国的にはおでん種として一般的ではないので、ごぼう天や竹輪麩などの

代替品が使われ、正確な「チビ太んのおでん」ではありません。

②△はんぺん・〇ガンモ・□タコ(四角じゃない)

③△こんにゃく・〇がんも・□卵(四角じゃない)

④△こんにゃく・〇がんも・□結びこんにゃく(四角じゃない)

⑤△こんにゃく・〇ボールさつま揚げ・□鳴門巻き

⑥△こんにゃく・〇うずら巻き・□竹輪

⑦△こんにゃく・〇大根・□竹輪

⑧△こんにゃく・〇つみれ・□鳴門巻き

その他自由に組み合わせられます。

チビ太はかの有名な故赤塚不二夫原作の「おそ松くん」に登場します。

   

イヤミの口癖は「ミーはおフランス帰りザンス!!」で重度のフランスかぶれでした。

デカパンのパンツには、トンカチ・のこぎり(危ない!)・
缶切り・財布・猫が入っています。

秘密のあっこちゃんは変身する時に「テクマクマヤコン」と言います。



チビ太のモデルは赤塚さんの少年時代に、近所に住んでいた少年で

ガキ大将だった赤塚がいくらいじめてもめげずについてくる子で

そのバイタリティーに脱帽して仲間に入れたというエピソードがあるそうです。

赤塚不二夫が生み出したキャラクターのチビ太は、

坊主頭のてっぺんに髪の毛が1本だけ生えているという”はげじじい”の様な頭をしています。

 

ほっぺたにある3本の線は、鼻水が乾いて固まった状態(カッパカッパ状態)を表しています。

よく六つ子にいじめられていますが、「てやんでぇ〜バーローちくしょ〜っ!」と怒ります。

そしてもちろん大好物はおでん!

おでんの屋台で買った串にさしたおでんをいつも持っています。

赤塚さんによれば、子どもの頃、おでん屋には2種類あり、

お酒を飲ませる大人向けのおでん屋台とは別に子どものおやつ向けのおでん屋台があり

1本5円!で売っていたそうです。ああ……それが食べたかった!



さて、チビ太のおでんは1993年から2014年までサークルKで販売されていましたが

ファミリーマートに経営統合されてからは残念なことに引き継がれませんでした。



赤玉さんで私が勝手に自分で作った「♬チビ太のおでん♬」です。

だってまさか、赤玉さんで「チビ太のおでん下さ〜い」とは言えませんから。

三角は定番のこんにゃく、丸は魚のすり身団子、四角は赤巻きはべんにしました。



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