【竹の子農家で竹の子のフルコース2018年4月      
 場所・電話番号 インターネット情報  時間 ・休み 料金 (2人分)

竹の子料理 高野


金沢市別所町ツ―62


電話 076-242-8609


シーズン中は
(特に土日祝)
は予約を入れた方が
いいと思います。
私達が行ったのは
平日でしたが、
予約を入れてから
行きました。


HPはありません。

営業時間

11:00~15:30

ラストオーダー15:00


竹の子フルコース 

1人前 2700円
 ×2=5400円(税込)


3人で2人分を
頂きました


 
全国で一番生産量が多いのは九州(特に福岡県)です。


実は石川県は竹の子の生産地として

1番北に位置しています。

石川県より北では、大規模な栽培は

されていないそうです。
 

日本中、どこでもニョキニョキ竹の子が出るんだと

思っていたら違うんですね。


石川県は竹の子の北限の産地なので、日本で最も

遅い旬(しゅん)を迎えるというわけです。


収穫期はその年によって違いますが、大体、4月中旬に

始まって、5月の中旬頃までです。


 
鮮度が命の竹の子は早ければ早いほど、アクが少なく

美味しいので、金沢では竹の子のセリが市場で

朝(6時)と昼(2時30分)の2回行われています。


前日に掘られて早朝のセリにかけられた

竹の子は「朝掘り」という札が付き、

その日の朝に掘ったものは

「夕掘り」という札がつきます。


つまり、朝掘りではなく、夕掘りの方が実は新しい

ということになりますね。ややこしいです(笑)。
 


つまり、私達はお昼に食べに行くので、

朝掘った竹の子を

一番新鮮なうちに食べられるということですね。


 

 

竹林を風が通り抜けていきます。

中国で竹林を見たことがありませんが、

日本の竹林とは風情が違うんでしょうね。

パンダのイメージですし。



金沢の竹の子産地の中でも、特に「別所の竹の子」は

金沢人なら知らない人はいません。
 

別所といっても別の所ではありませんよ(笑)。

”べっしょ”といって金沢の郊外ですが

中心部からすぐです。


別所周辺の主な筍料理の店です。

   (宮川さん以外は普段は民家です)



高野 孝 電話 (076)242-8609

高窪 顕 電話 (076)241-5556
   こちらが、いわゆる”高窪 本家”で約100年前に
   この高窪さん宅で、大鍋に竹の子の煮物を作り、
   みんなでつつき合って食べたのが始まりです。
   ここのお庭の霧島つつじが咲いている間と竹の子の
   季節は一致するそうです。素敵ですね~。

小坂 栄司 電話 (076)242-3003

宮川 孝昭 電話 (076)242-0360
―蕎麦屋

元尾 武司 電話 (076)241-4789



私達は予約の時にどんな献立かをきいてから決めました。

竹の子のお刺身や天ぷらがないところもありました。

どこも同じではありませんので確認して下さい。



そして別所では、この時期だけ 竹の子のコース料理を

自宅を利用して提供する農家が数軒あります。


竹の子の季節にだけ農家がお料理屋さんになるんです。

私達はそのことをず~っと前から知っているくせに

これまで1度も竹の子料理を食べに

行ったことがありませんでした。


「いつか行こうね。そのうち行こうね。」といっていたら

もう年寄りだし、そのうちに死んでしまうので、

今年は絶対に行こうということに決定しました。

死ぬ前に「ああ、別所に食べに行っとけばよかった」

と言って死ぬのはいやですから……(笑)。


   
 
竹の子は1年周期で表年(豊作の年)と裏年(不作年)を

繰り返します。表年は裏年の3倍の収穫量だそうです。

そして今年2018年は表年です!!!
 
 
 
筍は金沢では、4月中旬から5月中旬まで 約1か月間

美味しいのですが、3段階で楽しめるそうです。


  最初の10日間―まさに旬の味でやわらかな歯ざわり

  次の10日間―最盛期で筍本来のおいしさ

  最後の10日間―少し硬くなるが甘みが出てくる



  今回、私達は最初の10日間に食べに行きます。
 

 
ところで、竹の子に栄養はあるのでしょうか?

食物繊維が豊富なので、

便秘や大腸ガンの予防にも効果的です。


野菜類の中では、たんぱく質を多く含み、旨みの元の

グルタミン酸やアスパラギン酸が含まれています。

またカリウムが多く、塩分の排出を促し、

高血圧予防にもなります。

 
 
 

石川県金沢市寺町2-2-33 妙福寺


 石川県に初めて孟宗竹が植えられたのは

加賀藩足軽の岡本右大夫が、1766年に江戸から

(参勤交代)2株の孟宗竹を持ち帰り、

自宅に植えたのが始まりでした。

ところが残念ながら枯れてしまったので、4年後に

もう1度江戸から取り寄せて、自宅と彼の菩提寺である

寺町の妙福寺に植えたところ、今度は植えつきました。


右太夫さんは、江戸で竹の子料理を食べてよほど

美味しかったのでしょうね。持ち帰るほどですからね。



別所に行く前に、通り道なので

妙福寺さんに寄り道しました。

寺町通りに面していてわかりやすい所にあります。


 
 

妙福寺さんは金沢では珍しい法華宗です。

さあ、岡本右太夫さんのお墓を探しましょう。


他のお墓と違う形のこのお墓でしょうか?

 
 

確かに岡本氏と書いてあります。

でも岡本さんって名前はよくある名前だし……。


不安な私たち……。

 

と思っていたら、このお墓の前に

こんな石柱がありました。

孟宗竹何とか追悼会 金沢市農業協同組合

と書いてあります。

 
   
金沢では、毎年4月に”たけのこ感謝祭”が開かれます。

先日の中日新聞に記事が載っていました。

これは石川県に孟宗竹を持ち込んだ岡本右太夫の功績を

称え、筍の豊作を祈り、筍を育む山へ感謝する日です。

岡本右太夫のお墓にたけのこが3本供えられます。
 

 
 
別所に到着して高野さんに行く途中、

竹の子の直売所がありました。

4月中旬~5月中旬には、掘ったばかりの竹の子が

山積みされます。市内中心部から車で15分程度なので、

シーズン中は新鮮な筍を買いに来る人が後を絶ちません。


 
 
 

この別所のバス停が目印と高野さんから聞いていました。

 

二つに道が分かれていて、

左に下っていくと高野さんです。

 
   

高野さんの正面には

瀬織津姫(せおりつひめ)神社があります。

この瀬織津姫という神様は

最近話題になっているそうです。

 
 
普通の桜よりも咲く時期が遅い

しだれ桜と八重桜が満開でした。

竹の子料理を食べにきたのに、お花見まで

ちゃっかり楽しめました。

有名な桜の名所のように人もいないし、最高です。

 
 
   

やさしく、可憐な しだれ桜の下の階段を上って、

竹の子の高野さんです。


きれいに手入れされて、素晴らしいお宅です。

 
 

八重桜がバックの竹林の緑の濃淡に映えています。

 
 
   
 
 

田舎の親戚にお呼ばれしたみたいでしたよ。

癒されました~。

 
 
 

縁側も、せせこましくなく、ゆった~りしています。

ここで、猫と遊びたい。



さっと見ただけですが、他のお部屋も”虎”の襖絵でした。

虎はその家を守ってくれるということですね。


しかも”竹林の虎”…この地にぴったりではありませんか! 


それにしても日本に虎は昔から存在しないのに、

どうやって絵に描いたのでしょうか。

やはり中国から虎を描いた絵画が入ってきたから、

それを真似して描いたんでしょうね。

 

私達は東京から遊びに来ていた娘と3人で

行きましたから、

2人前注文して3人で頂きました。


2人で1人前は少ないですが、3人で2人前で

ちょうどいいくらいでした。


え~っと 2/3=4/6 で 1/2=3/6ですね。

最近、こんな簡単な計算もなかなかです。

お昼にたくさん食べると、しんどくなる年寄り夫婦です。


竹の子料理フルコース



竹の子のお刺身(わさび醤油)

山菜(コゴミ)の酢の物(酢味噌)

竹の子の煮物 (昆布・椎茸)


竹の子の天ぷら(アザミ・コゴミ)天つゆで

竹の子ごはん(紅生姜)

竹の子の味噌汁(わかめ・三つ葉)

竹の子のお漬物(粕漬け・梅漬け・たくわん)




まさに竹の子のオンパレードです。

 
フルコースはお刺身から始まりました。


えぐみは全くなく、竹の子そのもののさわやかな味です。


 でも訊いてみると、ここの竹の子のお刺身は、

本当の生ではなく、さっと火を通してあるそうです。


せっかくだから本当の生を食べてみたかったんですが。

まあ本当の生は体によくないのかもしれませんね。

それにしてもお刺身は産地でしか味わえないものです。

 
 
コゴミ(山菜)の酢味噌和えです。
 

丸まった形がかわいらしいコゴミ。

コゴミが丸まっているのは防寒対策のためだそうです。


春先の山は雪や霜に覆われており、土の中から

出てきた直後から、ある程度の大きさになるまで

雪や霜から身を守るんだそうです。

適応していますね~。

 
   
 
 

ここはお店ですからお上品にちょんと載っていますが、

家庭ではもっともっと昆布が”どろどろに”溶けるまで

煮て、竹の子にまとわりついている状態になります。

 
竹の子と昆布の煮物です。


全国的には若竹煮(筍とわかめ)が一般的ですが、

ここ金沢では竹の子を昆布と一緒に煮ます。

スーパーの野菜コーナーに生の竹の子が並ぶ時期に

なると、これまで乾物コーナーに売られていた

”竹の子昆布”が竹の子の横に並びます。

竹の子昆布は石川県・富山県・福井県の北陸3県

だけに売られている昆布だそうです。

   

アザミの葉です。痛そうです。

 
 
竹の子の天ぷらを初めて食べました。

あっさりして食べやすいですが、蓮根には負けるかな。

左の葉っぱみたいなのは”アザミ”で、右は”コゴミ”です。

天つゆで食べたり、醤油で食べたりしました。 


アザミってあの痛いとげとげのある葉っぱですよね。

食べられるとは知りませんでした。

多分軍手をして採ってこられたんだと思います。


 
 
竹の子がどっさり入った竹の子ご飯です。 




手前の黄色いお漬物は、竹の子の粕づけです。

歯ごたえが独特で、なかなか美味しいものでした。


向こうの赤いお漬物は竹の子の梅漬けです。

これは竹の子ご飯ではなく、

白いご飯と頂きたい漬物です。



そして、自家製の沢庵(たくわん)がありましたが、

これが”しばしば”で美味しい。スーパーのとは

全然違います。昔、実家で作っていた沢庵も

しばしばでした。私はそんな沢庵を作りたいのですが

夫が沢庵大嫌い人間なので仕方なく作っていません。


 
 
竹の子の味噌汁です。

竹の子・わかめ・三つ葉・ゆずが入っていました。

 
 
 

玄関にはこんなおみやげコーナーもありました。

自家製の竹の子のお漬物や梅干しなどがあります。

 
 
 

高野家の厨房に入るところののれんは何と竹藪です!

こんなのれんをよくも探していらっしゃったものですね。

竹林の虎の襖絵といい、のれんといい、

凝っていらっしゃいます。




藪医者(やぶいしゃ)と竹の子医者


竹の子→竹→藪(やぶ) 


医者としての技術がへたで未熟な医者のことを藪医者と

いいますが、藪医者にも至らない医者のことを

竹の子医者というそうです。知りませんでした。




しかも面白いのが、自分から”たけのこ医者”を名乗る

たけのこクリニックが日本にいくつか、

海外にまであるらしいのです。


変なことを考えるお医者さんもいるものです。

 
 
   
 
 
インターネットに別所の竹の子農家の

山下さんのお話がでていました

”いいね金沢ー加賀野菜ー産地からのストーリー”です。

 

「このあたりは粘土質やから、空気にあたらんと

身のしまった竹の子に育つみたいやね。

雪が積もると土の中は温かくなるし、

そのあたりもいいのかもしれん。」

と他の産地との違いを誇らしげに語る山下さん。


素人にはただの地面にしか見えないところに、

竹の子が生えている小さな土の盛り上がりがわかり、

突然土を掘り始め、その速いこと速いこと。

「筍の頭を見ると、大きさや生えている向きがわかる。

筍はまっすぐ生えとらん。だから向きを間違えると、

傷つけるんや」と説明しながら、あっという間に

竹の子を掘りだします。」


筍を掘る時に使うのは、「トンガ」と呼ばれる竹の子用の

鍬で、手作業で1日約200~300本を掘ります。

「表年、裏年っていうのも、竹が1年間がんばったから、

次の年はちょっとゆっくりしようということや。」

という山下さんのお話が印象的です。なるほどなるほど。

 
   

竹の子掘りの鍬 ”トンガ” です。

まるでどこかの国の名前のような鍬(くわ)です。。


 
 
筍(たけのこ)という漢字は、

「旬内に竹の子、旬外に竹」

という意味から作られました。 

旬(しゅん)とは10日間を意味します。

筍が出てきて10日過ぎると、もう竹になってしまう?



地面に顔を出す頃は1日数cmくらいしか

伸びないのですが

10日目頃には50cm~1mも伸びます。

筍に帽子を掛けたまま、何日か経つと、

手が届かない高さまで持ち上げられて、

帽子が取れなくなるんだそうで、

全く恐ろしい植物です。

でも石川県の竹の子は九州など暖かい地方のものと

くらべて1日に伸びる長さは短いんだそうです。
 

 
   
筍(たけのこ)の旬(しゅん)は、もちろん春ですが、

夏に採れる筍もあるらしいです。

鹿児島県などで採れる緑竹(リョクチク)です。

台湾原産の熱帯植物で、台湾では「たけのこの王様」

と呼ばれる高級食材です。

えぐ味がないので、米ぬかを入れなくても

水だけで茹でられるそうです。

夏に鹿児島の娘のところに行くので、

ぜひ食べてみたいです。

筍は春だけの味覚と思っていました~。

 
 
ところで竹が花を咲かせることを知っていましたか?

竹の花はめったに咲きません。

何と50~100年に1度しか咲かないんです。

そして咲いた後は枯れて死んでしまいます。

それで昔の人は竹の花は”不吉の前兆”と

言い伝えたそうです。

不吉でもいいので、死ぬまでに1回見たいです。
 
 
 


竹の子の皮には、猪や狐などの動物に食べられない

ように、たけのこを守る役割がありますが、実はあの皮が

筍と竹を分ける境界線なんです。背が伸びるにつれて、

皮は1枚1枚、自然とはがれ落ちて、全て落ちると

竹になります。

皮が全部落ちるのに30日かかります。

竹をかぶっているのが筍で、皮が完全に取れたのが竹。

つまり筍は脱皮して竹になるのです。
 

まるで蛇のようです。

 
 

こんなんでも、まだ筍といってもいいんでしょうか?

 

まさに筍が竹になっていく過程です。

 
 
地元の内川中学校では毎年5月に、

「たけのこ合戦」があります。

地元特産のたけのこを自分たちで掘り、

たけのこを使った創作料理を作り

アイデアとチームの協力性を競う行事です。

地元ならではの行事で、いいですね。



放送委員会の”筍のわさびマヨ”……食べてみたいです。

 
 
内川たけのこ祭りが毎年、ゴールデンウィーク中に

内川公民館で開催されます。 

筍の直売の他、地元の女性が作った筍ご飯や天ぷら、

焼き筍、筍カレー、筍焼きそば、筍そうめんなどが

販売され、無料の山菜大鍋や筍掘り体験、

筍重さ当てクイズ

ボルダリング(フリークライミング)なども

楽しめます。


当日は香林坊から無料シャトルバスも出るらしいです。


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